【イナクロ】～あの人の姉はエルドラドにいる優しいのかわからないウザい系少女でした～ (ページ32)

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三十個目の消去ページ32

主人公side

＊＊

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『ベータさん、ちょっと出かけてきますね』

｢はい～、早く帰ってきてくださいね～」

私が向かおうとしているところは、ゴッドエデン

エイナムさんたちも例の化身については、まだ何もわかっていないみたいだし

あそこにいると、不思議と心が落ち着くから

＊

『ん～っ…気持ちのいいところですねぇ…』

精一杯伸びをしながら、深い森へ歩みを進める

私たちの世界では見られない光景

それは間違いなく、私のせいでもあるのだけど

なんて思いながらうろうろと歩く

『…?』

ふと足元に目をやると、
小さい白いヤギがそばを歩いている

『…可愛い』

私がそっと手を差し出そうとした瞬間＿＿＿＿

「＿＿＿＿＿こんな島になんのようだい？」

『っ、!?』

驚いて後ろを振り返ると

メッシュの入った黒い髪に黒い瞳を持つ、神秘的な少年が佇んでいた

「僕はシュウ。君は?」

『私…は、A…』

「どうやら見たところ…昨日の5人組の仲間みたいだね」

…エイナムたちのこと、か

『…つまり、貴方が例の化身の…』

｢あぁ、そうだよ」

『そうですか……止めていただいて、ありがとうございました』

｢!｣

私が倒さないと

私が倒さないと、あの子を逃がすことはきっとできなかっただろう

だからあの時…あのままエイナムたちが勝っていたら。

｢…敵、なのに?」

『…はい』

「…君はほかの人達とは少し違うみたいだね」

『…そうでしょうか』

儚げに微笑む彼の瞳から、目がそらせない
まるで神様に囚われたかのように＿＿＿＿＿

｢君は大切な人、守れている?｣

『っ…どうでしょう…私にはそんな力、ありませんし…』

所詮私のそれは守っている"つもり"
つもりだけで、きっと何も出来ていないだろう

「大切な人はしっかり守らないと駄目だよ」

『それ、は…分かっているけど…』

私に、何が出来るっていうの＿＿＿＿?