【イナクロ】～あの人の姉はエルドラドにいる優しいのかわからないウザい系少女でした～ (ページ17)

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十五個目の消去ページ17

「優一さん、これが最後のチャンスです!」

天馬さんは優一さんにボールをまわした
ここで、負けたら…

アルファさんやプロトコルオメガのみんなが＿＿

『行かせません!!私達だって、負けるわけには行きません…!』

｢…君は俺と似てるね｣

『え…?』

彼の優しい瞳が、私をじっと見据える
あまりに穏やかに見つめるから、思わず私の動きが止まる

｢大切な人のために、命をかけて戦っている｣

『……』

｢違うかな?｣

『…どうでしょうか』

｢…君は優しいんだね｣

『っ、違う』

そんなこと、ない

あなたと同じなんかじゃない
私は、弱い

そんな思いをかき消すように、私は彼をｷｯと睨んだ

『…止めて見せます!』

「通させてもらうよ!」

さっきのように、彼からボールを奪いに行く
だけど彼はさっきよりはるかにパワーアップしていて

『くっ……』

｢…ごめんね＿＿＿｣

『!』

彼のその言葉を聞いた瞬間
私は、優一さんに抜かれた

『なっ…!?私が負けるなんて……っ』

私が、彼の言葉に惑わされた?

そんな、ことって

｢決めるよ、京介!＿＿＿＿デスドロップ!!」

『止めろっ、ザノウｯ!!!』

「キーパーコマンド０３!!」

『失敗はっ……許されない…!』

｢…!｣

だけど、

｢ぐっ……!ああぁぁぁ!!｣

彼のシュートは決まってしまい、
そしてその瞬間、試合が終了してしまった

『くそっ…!』

「…敗北…信じがたい結果だ」

『……信じたく、ありませんよ』

だって、貴方は＿＿＿＿

そしてアルファさんのインカムが鳴った

「っ…YES、撤退する」

アルファさんの声が、いつもより悲しそうだ、と私は思った
結局、私は何も出来なかった

もっと、力が欲しい
私がもっと強ければ、アルファさんは＿＿＿＿＿

＊

私は優一さんの元へ行ってこう言った

『…優一さん。やっぱり貴方は、強い人でした』

｢!｣

『…1つだけ、訂正します。…私も、あなたと同じかも知れません』

命をかけて守りたいものが、

私にもあるから

≪ムーブモード≫

スティアデバイスの音声が、いつも以上に冷たく感じる

そして私たちは、エルドラド本部へ帰っていった