成仏させてクレメンス【男主】 (ページ9)

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9話ページ9

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太陽が沈み月が夜空を過ぎようとしている。

地下への階段を降りて地下牢をじっと見つめる。
トントンの再来を知ったのか、

目の前に現れた足のない者。

「こんばんは…」

込み上げてくる気持ち悪さと悲しさと怒り。

トントン「今から聞く事全てに回答しろ。1つ目、ロボロはどこにいる？」

「ごめんなさい……僕が唸ってなかったら地下に人を寄せなかったのに。巻き込んでごめんなさい！」

トントン「…ロボロはどこにいて、ロボロは今どうなっていて、ロボロはなぜ忘れられているのか全て答えろ！！」

「っ！！」

透けた身体を震わせタジタジながらも一つ一つ答えてく。

「っ…ロボロは、今、あんさん以外の人間誰一人として覚えとらんです。あの暗闇が僕をここから成仏させない理由に繋がっていて、ロボロはそれに巻き込まれました…。僕が成仏すればロボロは元に戻れるはずです…。」

トントン「何でロボロの事呼び捨てやねんお前。どの面下げて呼び捨てにしとんのや。」

「ご、ごめんなさｯ」

ロボロ「まぁまぁ、あんまAの事を責めんで！こうやって普通におるんやから！」

トントン「え、ロボロ……？」

この世の全ての人間の記憶から消えた男が目の前に今いる。

そう、ロボロという男が。

我慢してきた涙腺が緩み溢れんばかりの涙が頬を伝う。

トントン「どうなってるん…お前ぇ……みんな覚えとらんくて、苦しくて、それでｯ…」

ロボロ「Aに関わった人間は全員こうなるらしくてな？トントンが来る前に…お遊びか知らんけどもう一人こっち来てもたわ。ごめん、止められへんかった透けてもて。」

暗闇から何本もの手が伸びAの腕の中に寝かせられたフードの男。

トントン「ゾムっ」

「僕に触れようとしてこの闇に引っ張られたみたいなんですわ…。ホンマにごめんなさい！！明日あんさんが起きたらこの人の事誰も覚えてないと思います…。」

Aの腕の中のゾムの身体は徐々に透けてきて過ぎようとしている月がゾムの身体を貫通してよく見える。

ロボロ「せやからな…トントン、Aが何でこの地下に出現して成仏出来へんのかを調べて欲しい。それでAに言って欲しい。そしたらみんな元通りや。お願い。」

トントン「…そんなん願われても嫌やて言われへんやんｯ。」