悪夢 ページ11
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。
この感情を大切にしていた私が。
醜い、醜い、醜い。
人の命を奪っておいて、自分は救われようとする私が。
《はぁッ、はぁッ、はぁッ、はぁッ、》
血塗れになった手が震えている
《はぁ、はッ、は、はは、は……》
誰かが私を指さす。
“人殺し”
《うるさい》
“親友だと思ってたのに”
《黙って》
“そうやって罪から逃げるんだ”
《……違う》
“何が違うの?”
私の首に手が回る
“私が死んだのは”
段々と力が込められていく
“お前のせいなのに”
くるしい
“お前が殺した”
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
目が覚める。
今のは全て夢だったのだと、少し安堵する…が、
夢にしてはあまりにもリアルで。
…あの時の感覚はまだ、残っている。
忘れたくても忘れられない
段々と冷たくなっていく、かつて大切にしていた人達。辺りに漂う鉄の匂い
手に残る血の感触
焦燥感
そして“私が殺した”という消えない事実
……身体が重たい。起き上がりたくないとさえ思う
しかし、ずっと寝転がったままじっとしているのも良くない。
ゆっくりと身体を起こし、周りを見渡す。
『……真っ白……?』
一見何も無い空間に見えるが、上には青い糸が吊るされている。糸には所々何かが絡まっているようだ
「やっト起きたカ」
声がする方向を見てみると、そこには
『エラー…サン?』
エラー「何デ疑問形なんだヨ…そレよりオ前、かなリ魘されてタが大丈夫カ?」
『あぁ…まあ、うん 大丈夫』
『ところでここは…?』
エラー「俺ガ作り出しタ空間だ。アンチボイドと呼んでル」
『アンチボイド…』
エラー「オ前がトイレで過呼吸起こしてタから介抱してやったんダが」
「そノ後気絶しタので邪魔だっタしココに連れテきた」
『はあ…なるほど…』
邪魔て
『とりあえず、介抱ありがと。今度お礼渡すね』
エラー「気にすんナ。帰りハあっちダ」
お礼何がいいんだろう、と考えながら歩き始めたその時____
???「エラーーーー!!!!!!!!」
…とんでもなくデカい声が空間に響いた。
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作者名:幽霊。 | 作成日時:2024年3月4日 13時