俺の幸せは ページ1
「彩」
俺は3年前、彩と結婚した。
『何、悠飛』
昔なら、こうやって、返ってきた。
けどもう、彩は、
いないから。
1年前の今日、俺がいない間に、
暗殺された
俺と彩は小説家として働いていた。
〈立花悠飛〉と、〈片山彩〉として。
彩は俺と結婚したから、片山彩が本名なのだけれど、付き合っていた頃から、この名前で小説家として働いてたから。
お互い結婚する気だった。
そして、結婚して1年。
彩のお腹に、新しい命が宿った。
その報告があって三ヶ月。
俺は、新しい作品発表のため、出版社に呼び出された。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい悠飛！」
「大人しくしてろよ」
「分かってるって」
「じゃ、行ってくる、愛してるよ」
「私も愛してるよ！」
そのやりとりが、最後だった。
帰ってくると、そこには、血まみれになった彩の姿があった。
俺はすぐに、救急車を呼んだ、そこでもう、お腹の中の子の、命はないと言われた。
彩に、希望はあるかもしれない。
そう、思い直した。
けど、病院に着いてすぐ、彩の死亡が、確認された。
一気に妻と子供を失った俺は、正気を失った。
しばらく、精神科に通っていた。
精神科から帰ってきて、なんとなくテレビをつけると、
『小説家の片山彩さんを殺害した犯人が、逮捕されました』
というニュースが流れてきた。
けど、犯人が捕まっても、別に、なんでもよかった。
そいつが捕まったからなんだ。
彩と子供はもう、戻ってこないんだ。
『子供』と呼ぶのもかわいそうなので、彩が考えていた。
《悠来》
と呼ぶことにした。
お葬式には、彩の家族と、kzの連中しか呼ばなかった。
お別れ会はあったけど、俺はそれに、参加しなかった。
お別れなんてそんな、
ずっと一緒って、
私は悠飛を見捨てないよって、
言ってたじゃん。
たった1人の家族だったのに。
いや、もうすぐ2人だったのに。
なんで俺は、幸せになれないんだよ。
酷いじゃん。
そんな時、一通の手紙が届いた。
『片山悠飛様』
片山悠飛......しばらく立花悠飛としてやってきたので、片山がなんだかしっくりこなかった。
『立花奈子』
彩の、妹。
『片山悠飛様
元気ですか、とか元気じゃないに決まってるよね。
私も、お姉ちゃんを失って、悲しいです。
お姉ちゃん、お腹に赤ちゃんいたんだってね。お母さんに聞きました。
悠飛くん、あんまり、落ち込まないでね。
前を向いて、歩こう。
立花奈子より』
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ピ奈 - ありがとうございます。学校始まって忙しいんですけど、土日に更新頑張ります！ (2020年6月8日 18時) (
レス) id: b2cfaa4137 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴバナナ@ばーちーLOVE(プロフ) - 面白いです！更新、頑張ってください！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: 475568ed92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピ奈 | 作成日時：2020年5月30日 10時
