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第14話【アルナイル】 ページ15

ふわぁ…と大きなあくびをして一人の少女____千鶴が目を覚ます

完全に遅刻なのだがなぜこの時間に誰も起こさないのか。

その答えは実に簡単だ。



殺されたのだ。家族を。



化け物と人間、両方にだ。

普通の魔法少女なら化け物に家族を殺された、のみだろう。

だが、千鶴は幼いころに両親を殺人鬼に殺された、とされており

唯一生き残っていたいた姉は化け物に殺されたのだ。

昔のトラウマがよみがえったせいなのだろう。

不運なことに、千鶴は選ばれたのだ。

”バケモノ”に成り下がった姉を殺す”死刑執行人(魔法少女)”に。

その魔法少女は、アルナイルと命名された。

そして今、重い足取りで魔法少女育成学校に通いにいこうとしている。

「おはようなの、イーハトーヴの丘さん」

水筒で持ってきたあまい紅茶を飲みながら彼女はこう言う

「今日は、なんだか風が騒がしいの」

蒼がかった、白い髪をどこか懐かしい匂いになびかせて。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【アルナイル視点】

一応遅刻したので

「おはようございますなの」

と小さく放ち、教師の前を素通りして、怒られた。

なぜ怒るのだろう。

と思っていると話が終わったようだ。

くだらない授業や自己紹介を軽く聞き流していた、その時

笑った顔が、姉にそっくりな子に目を引かれた

とても懐かしく思った。

「…お姉ちゃんそっくりなの」

急にそう思ったのが恥ずかしくなり教室をでていった。

彼女は、姉ではない。

重ねてはいけない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彼女は独り丘で空を見つめ、つぶやいた

「あと6年。わたしが魔法少女じゃなくなるその時まで、なの」

その言葉は少女の涙とともに地面に溶けていった。

第15話【アリオト】→←第13話【シルマ】



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しいたん@不思議の国のわらちゃん(プロフ) - 更新終わりましたー (2018年2月13日 19時) (レス) id: 6b570d1737 (このIDを非表示/違反報告)
しいたん@不思議の国のわらちゃん(プロフ) - 更新します!(エッ、本当に勝手に更新していいんですかね…) (2018年2月13日 19時) (レス) id: 6b570d1737 (このIDを非表示/違反報告)
源 盃(プロフ) - 更新終わりましたー (2017年12月5日 17時) (レス) id: c36cd99826 (このIDを非表示/違反報告)
源 盃(プロフ) - 更新させていただきます! (2017年12月5日 15時) (レス) id: c36cd99826 (このIDを非表示/違反報告)
蘭花☆♪(プロフ) - 更新終わりました (2017年11月14日 19時) (レス) id: 3b3898559f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬目 x他10人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/orazu/  
作成日時:2017年9月12日 21時

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