お嬢様の嘘は甘い嘘(ars) (ページ2)

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２:怖い夢ページ2

Aside

『…だ…いやああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーー』

もう…やめて…

？「…様。お嬢様。」

夢…か。

ゆっくりと目を開ける。

智「おはようございます。お嬢様。

…ご気分はいかがですか？」

いつもと様子が違う大野。

「いつも通りよ。何もないわ。

どうしてそんなこと聞くの？」

カーテンを開けている大野に尋ねる。

智「いえ…随分うなされていたようでしたので。

怖い夢でもご覧になられたのですか？」

…またあの夢を見た。

いや、あれは夢なんかじゃない。

私の過去。

忘れたいのに、過去はそれを許してはくれない。

「…どんな夢を見たかなんてもう忘れたわ。

着替えるから出てって。」

半ば強引に大野の背中を押す。

智「お嬢様。

着替え終わりましたら旦那様がお呼びですので…「わかったわ。」

勢い良く閉じた扉の前に座り込む。

・

・

・

これじゃ、話を逸らそうとしたのがバレバレね。

定期的に見る昔の夢。

「…っ痛った、、、。」

昔のことを思い出そうとすると、お腹の傷跡に激痛が走る。

夢に出てくることは私が経験したこと。

忘れるはずなどない。

傷跡はすぐに消えた。

でも、この傷跡が残す過去はすぐには消えてくれない。

「お父様が呼んでるんだっけ…。」

ゆっくりと立ち上がり制服に手をかける。

お父様の話なんて、大体想像がつく。

思っていたより今回は早い。

膝上のスカートを少し押し下げながら

重たい足取りで部屋を後にした。