１:執事櫻井、初出勤。 ページ1
翔side
ずっと願い続けてきた夢が、ついに今日、叶おうとしている。
今日という日を迎えるためだったら、どんなことでも頑張ってこれた。
全ては、A様にお仕えするために。
？「お〜来たきた！君が翔くんかぁ〜＾＾待ってたよ！
俺、大野 智！
一応この松本家の執事長やってるんだぁ〜」
ふにゃんと効果音がつきそうな笑顔で出迎えてくれる大野さん。
それにしても、執事長ってもっと厳しそうな人だと思ってたのに…
翔「櫻井 翔と申します。
よろしくお願いいたします。」
智「ふふっそんなかしこまらなくて大丈夫だよ。
ご主人様がいらっしゃらない時は、普通でね＾＾疲れちゃうでしょ。」
翔「は、はぁ。。。」
執事とはこういうものなのか？
こんなにも早く、習ってきたことが役に立たないと感じるとは…
相変わらずほんわりとしたオーラを放つ大野さんと雑談を交わしながら、とりあえず大野さんについて行く
智「ついたついた。
旦那様と奥様が中でお待ちだから、挨拶するよ＾＾」
翔「あ、はい。」
急だよ。大野さん。
目的地を聞かずについていった俺も俺だけど、せめて心の準備をさせてくれええええ！
そんな俺の心の叫びは届くはずも無く、軽快なノック音とともに、あっさりと開かれるドア。
なんだか、これから、この執事長にはたくさん振り回されそうだ…
智「旦那様、連れてまいりました。」
心做しか、大野さんの顔つきが変わったような気がする。
オンとオフがしっかりしすぎだろ。
旦那様「おお〜君が櫻井の。ずっと待っていたよ」
翔「櫻井翔と申します。
精一杯務めさせていただきます。」
奥様「さすがSランク執事ね。身なりだけじゃなくて、ルックスも完璧。」
Sランク執事とは、執事学校を卒業する際、限りなく優秀な成績を修めたものだけが得ることのできる称号である(by作者)
翔「お褒めに預かり光栄でございます。」
旦「我が家にSランク執事が2人になるなんてな。
大野、そろそろAを連れてきてくれ。」
Sランク執事は、もう一人いるのか。どんな人なんだろう。
奥「あの子もきっと櫻井を気に入ると思うわ。」
旦「そうだといいんだがな…」
そんな会話がなされていたことなどいざ知らず、
俺は、これからの生活に、期待を膨らませていた。
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作者名：るいか | 作成日時：2019年6月15日 15時
