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そして、あらぬ方向へと曲げようとしてきた。
「いだだだだだ!! く、クリスタ!! 痛い痛い!!」
「プッ…あはははは!」
一頻り笑うと、今度は加減をした上で小指を絡めて来た。
「指切りげんまん、嘘吐いたら針千本のーますっ!」
「「指切った!」」
「…はい、これでオッケー! お姉ちゃんは絶対帰って来るぞ!」
「うん! 絶対帰って来てよ! 来なかったら腹パンだから!」
「は、腹パンは勘弁して…」
私が顔を青くしながらそういうと、クリスタは再び笑い始め両親の元へと戻って行った。両親は私の方を見ると、頷いてから敷地の外へと向かって行った。
「…はい。で、ですよ。何ですか?」
「切り替え早ない?」
「だって手紙が届いてると思ってた側ですもん、そりゃアレまでなりませんよ。…で、何の用ですか?」
「…まず、お礼を言わせてな。ウチの
馬鹿って言ったぞこの人。
「馬鹿とは何だ、馬鹿とは!」
「馬鹿は馬鹿やろ!! 無断で城から抜け出した挙句捕まるとか、馬鹿以外に何があるんや!!」
「それはー、そのー…正直すまんかった」
「罰として一週間おやつ禁止な」
「なっ!? と、トン氏! それだけは!!」
親子のやり取りかよ。おやつ一つで此処まで大事みたいな反応するのね…。あ、駄目だ。私も似たような反応するわ。
「まあ、あれは放って置くめう。君がリディちゃんやな?」
めうって何だ、めうって。
「はい、リューディア・デットマーですけど」
「フルネームは?」
「え。リューディア・ヴィルヘルミーネ・デットマーです」
「おん、本物やな。リディちゃんさえ良ければ、君を軍が保護するという形で此処に滞在してもらおうと思っとるんやけど。大丈夫?」
「えっと…つまり…?」
私が反応に困っていると、口論をしていた二人が此方を同時に見た。仲良いなこの二人。動きピッタリ過ぎるんですけど。
「お前を軍の人間にするんだゾ!」
「まあ、今回ばかりは命が狙われてる可能性がデカいっちゅー話やからな。聞いた話によると書類とかもできるらしいやん、だったらええかって事になったんや」
「よくあの“はい”と“いいえ”だけの会話でそれが成り立ったな…」
「まあ、正直俺は賛成って訳やなかったけど」
けど? 何だよ、フード君(仮)って呼ぶぞ。言いたい事があるなら早く言えい。と、視線で訴えるとガバッと後ろから抱き付かれた。
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作者名：ゆうにゃん | 作成日時：2019年5月23日 21時
