夕虹百日の旱《虹》〈1〉 (ページ7)

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「ほら、濵ちゃん笑われとんで。」

「えっ！」

「す、すみませんっ…」

「笑顔の方が可愛ええで？」

「淳太いらん事言うな。」

打ち合わせ、と言うのだから、もっと堅苦しいやり取りがあるのだと思っていた。

けれど実際はそんな事もなく

きっと関西出身であろうこの2人がワイワイ楽しく盛り上げてくれたおかげで、信頼して依頼する事が出来た。

そうしているうちに時間は1時間を迎えそうになり、何か質問があるかと聞かれ、

そういう時はだいたい、無い、と答えるのが主流だとは思うのだが、

私は、どうしても引っかかっている質問を、ぶつけてしまった。

「あの、特殊能力持ってるって…言うのは……」

「…特殊能力…？」

「はい。全員が特殊能力持ってる集団だと聞いたんですけれど。」

「それほんまに俺らのこと？笑俺らはそんな能力持っとらんで？なぁ、濵ちゃん。」

「せやせや。変な噂信じたらアカンでぇ～。」

「…そう、ですよね。すみません。笑」

変な噂。

そう、それはただの変な噂だったのだ。

だけれど、WESTという集団は存在していて、私は今日、彼らに依頼を頼んでいる。

そんなのも、

変な噂に成り下がるのだろうか。