夕虹百日の旱《虹》〈1〉 (ページ6)

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「ご依頼をもう一度詳しく説明して貰えますか？」

「は、はい。…えっと…私、MEIDORUというグループでアイドルをしているんですけれど、昨日このような物が事務所に送られてきて…」

彼、中間さんはとても優しそうな笑顔で話を進めてくれて、

この人達なら頼っても良いかな、と、何となくそう思えてきた。

脅迫状の犯人特定と、アイドルの護衛なんて、本当に出来るのだろうか。

そうは思いつつも"どんな依頼も受ける"と言っていたので、恐る恐る昨日事務所に届いた脅迫状のコピーを2人の前に出した。

「ｸﾞﾌｯ…」

「ちょ、濵ちゃん汚い…」

「これっ、えっ、ほんまですか！？」

黒髪短髪の方の濵田さんは

その紙を見た瞬間飲みかけていたコーヒーを吹き出しそうになりながらも

両手で紙を受け取り、まじまじと見つめその紙と私を交互に見比べた。

「…ひっどいな～。ファンなら推しの幸せぐらい祝ってやらなあかんやろ。」

「はいはい。私情を持ち込まない。」

「まりっ、……十六夜さん。この依頼引き受けます。俺らが貴女を全力でお守り致します！」

「ちょ、何勝手に決めとんねん！」

「だって、こんなっ、有り得へんやろ！悪質すぎるわ！！」

目の前で繰り広げられる光景があまりにも場に似合わな過ぎて思わず笑みがこぼれてしまった。

だって、まるで漫才してるみたいなんだもん。