STORY2. BACK WEST ページ45
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「お邪魔しまーす。」
1人防護服を着ていない俺、小瀧望は五十嵐さんの家に案内され、中に入った。
失礼やけど…思ってた通り、中もボロボロやな。
狭い玄関には、小さな靴が四足ほど並んでいる。
「すみませんね、狭くて……。」
「いえいえ。奥さんも大変ですね、シングルマザーだなんて。」
「えぇ…、でも子供達に元気貰ってるんで毎日頑張れます。」
子供かぁ…ええなぁ〜。
そんな事考えてると、ぱたぱたと小さな足音が聞こえた。
「お母さんお帰り!!」
小学生ぐらいの男の子が駆け寄ってきた。
それに続いて他の子供達も来る。
「ただいまー。」
「え、誰!?」
「わーでっかい人!!」
「イケメンやイケメン!!」
「仮面ライダーに出て来そう!!」
お、やっぱ子供でも分かっとるんやな。
俺は、やろ?とキメ顔をする。
「この人は小瀧さん。今日遊んでくれるんやって。」
「そうなん?やったぁ!!」
「初めまして、小瀧望です!皆宜しくな〜。」
「じゃあ望お兄ちゃん、一緒にゲームやろ!!」
……お兄、ちゃん……?
「え、もっかい言って???」
「…望お兄ちゃん?」
「……っ!!!」
俺は初めて言われた言葉を聞いて、一人で感動していた。
俺はWESTの中で最年少やし、下の兄弟おらんからめちゃくちゃ新鮮やねん…!!
「お兄ちゃん、泣いてんの?」
「…泣いてへんわ笑」
「そうだ、WESTさんにお茶出さないと……。」
…………………ん?
彼女はそう言って、キッチンへ向かおうとする。
「わーわーわーわー!!五十嵐さん待ってー!!!」
本来の目的を忘れそうになり、慌てて彼女を止める。
彼女は不思議そうな顔で見つめてきた。
「あー…えっとー……外は!!蜂の巣駆除やってるから危ないですので!!今から!!絶っっっ対に!!!外に出ないで下さい!!」
そうやそうや、俺は桐山達が特殊能力使ってるのを彼女達に見られない様にする為に、監視として来たんやった。
「あら、そうやったの?ごめんなさいね〜うっかりしてて。」
俺は安心して、ホッと息をつく。
「お兄ちゃん!一緒に遊ぼーや!!」
「はいはーい。」
俺は長男らしき男の子に手を引っ張られ、小さな部屋へ連れて行かれた。
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作者名:#TODAY | 作成日時:2021年5月2日 21時