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カランカラン。
軽い音。
ふと見れば先程出て行ったメンバーがこちらを覗いていた。
「まだ?神ちゃんとのんちゃん、お土産屋行きたいってうるさいねん。」
「分かった。すぐ行く。」
さよならはいつだって起こること。
でも、今回のさよならは、もう一生会えないような気がした。
握手会じゃない、LIVEじゃない。
一生2人の顔を見ることが無いような、そんな気がした。
「また、なんかあったら名刺に書いてあるメアドに送ってや。」
「はい。ありがとうございました。」
「…じゃ、またな。」
「真凜ちゃんと会えて良かった。」
「…私も、皆さんに会えて良かったです。」
じゃあな、と笑顔で振られた手。
遠慮気味に振り返す。
カランカラン。
閉じた扉から目を離したら思わず零れた涙。
嬉し涙だと信じていたい。
私も荷物を持って、彼らの後に次ぐようにレジに向かった。
"お客様、先程の方がお客様の分までお支払いしてくださいましたよ"
「…え、?」
急いで扉を開け外に出た。
大通り。
だが、
人が多いその道から、黒いスーツの7人組は
とっくに消え去っていた。
ふと頬を掠めた風、
つられて見上げた夕空には、雨が降った訳でもないのに
綺麗な虹が架かっていた。
__________STORY1. その名はWEST END___
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作者名:#TODAY | 作成日時:2021年5月2日 21時