夕虹百日の旱《虹》〈1〉 (ページ16)

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「ﾌﾌｯ…」

「うわっ、可愛い……」

「濵ちゃん、きも。」

「成功報酬、いつもはいくら位なんですか？命を助けていただいたので、それなりにしっかり払います。」

「真凜ちゃんのお金は俺がつぎ込むから今俺らに払わんくてええねんで？」

「誰か濵田退場させてや！！」

「ものによって値段は変わっていくので、これといって決まってる訳ではないんです。ですけれど、年齢や依頼を含めて考えると…そうやな……2万5千辺り？」

「神ちゃんもだいぶ贔屓しとるなぁ！！」

「まぁ、ええんちゃう？真凜ちゃん払える？」

「あ、はい！払えます！」

最終的に中間さんがもっと金額を上げたかったであろうメンバー数名をなだめ、成功報酬は2万5千円となった。

正直命を助けて貰った割に安いと感じる。

それも中間さんの優しさなのだろう。

「さっ、帰ろ帰ろ～」

「お土産買いたい！」

「東京なんて何時でも来れるやろ。さっさと帰って風呂入りたいわ～。」

「今回しげなんもしてへんやん。笑」

「俺の司令があってこその成功や。」

「あんなん擬音だらけで何言ってんのか分からんかったわ！やっぱ司令塔は淳太やないとあかんな。」

「あんな唇こそ何言ってんのか分からんやろ。」

賑やかに外に出ていくメンバーの人。

見ているだけで、心暖かくなった。

そして、残ったのは、私と中間さんと濵田さん。

「本当に、ありがとうございました。」

「真凜ちゃんが無事やった事が俺にとっては何よりやで。」

「あの時中間さんが傍に居てくれなかったら、完全に刺されてました…」

「いやいや、…真凜ちゃんを守るのが俺の役目やから。」

「…ええなぁ…俺もそっちやりたかった…」

気持ちの良い夕方。

心地よく流れるジャズの音は私と彼らの空気をさらに和ませる。