【歌い手】人間不信。３

【第八十三話】　ろんｓｉｄｅ ページ32

「迷った僕は憂鬱になりそうになってさ〜♪」







適当に歌を歌いながら廊下を歩く。


私はなぜか周りと違いすぐにお腹が空いてしまうので、みんなより一足先にご飯を食べることが多い。


まぁ食べ終わってもどうせ松下とかと会って長話になって寝るの遅れるんだよね。うん。いつものパターンだ。







「あーあ。なんかもう今日は疲れた・・・」







松下とれをるとＡＣＵＴＥを歌ったあと、私はそのまま別れ、(二人は何してるか分からないけど)自室に戻り今日の復習をしていた。


そしてしばらくするとお腹が鳴り、もちろん私が空腹に耐えれる訳でもなく、今食堂に向かっているというわけだ。






(今日は何にしようかな。カレー？いやいやそれは昨日食べたし、でも食堂のカレー絶品だし、いやでもさっき親子丼食べるって決めたはずじゃ・・・)






心の中で戦いが繰り広げられる。






(うわやばい、カレー軍が親子丼軍の真ん中に爆弾を・・・！うわわわ、親子丼軍の兵が劇的に減っている！これはカレー軍の勝ちか・・・！？

いやちょっと待て、親子丼軍も諦めてない！これはまだ戦える・・・！？)






そんな世紀の大決戦を繰り広げていると、パーカーのポケットが小さく小刻みに震えた。








「えっ・・・・あ、電話か。びっくりした」






突然のことに驚いたが、おかげで我に返った。誰だか知らないがありがとう。


心の中で感謝し、携帯の画面を見る。






「・・・・そらる？なんでいきなり・・・」





言いながら通話ボタンを押す。





「もしもし？」
『もしもしろん？ちょっと聞きたいことがあって。今大丈夫？』
「大丈夫だけど・・・・何、聞きたいことって」





そらるは気になったら止まらない性格だからな。きっと何かまた変なことにひっかがったんだろう。





『あのさ、今さっきチャット部屋で今日の報告してたんだけど』




「え？・・・あっごめん、すっかり忘れてた。なんかお腹すいちゃって」




『別にいいよ。あれはたまたまチャット部屋にいる人だけでやるものだし、強制参加ではないから。というかろんお腹すくの早いね。安定だな』




「安定の私のお腹のすきようね。ホントどうなってるんだろう私のお腹」




『でもあんまり早食いすると太るから気をつけてね。ってそうじゃなくて！』






余計なお世話だと言おうとしたところで電話越しのそらるが叫ぶ。



うん、安定のツッコミだなそらる。

【第八十四話】　ろんｓｉｄｅ→←いろいろへんこうじこう。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す