【歌い手】人間不信。３

【第六十九話】 ページ14

「え？」と発し後ろを振り返る。




そこには長い黒髪を後ろに束ねた髪型をしている高身長な女の人と、


マイペースそうな顔つきで「やっほ〜」と手を振る二人の女の人がいた。





私はその二人を見て、れをるさんよりましな人がきた、と安心した。






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「ろんさん！それに、松下さん・・・も・・・・」
「なんで私だけそんな嫌そうに言うかな！？」





たった一人を除いて。





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松下が自重しないからでしょ、と松下さんの頭を叩きながら言うのは女歌い手ろんさん。



よくそらるさんとコラボしていて、もちろん一人で歌う歌ってみたも人気だ。

ろんさんが歌った「おちゃめ機能」は数ある歌ってみたカテゴリの中で再生回数ナンバー１を誇るというこれこそスーパー歌い手。


性格もこれといって普通で、強いて言うなら大人。なんでも頼れるお姉さん！みたいな。




ちなみに松下さんというのもあの歌い手の松下さんだ。

歌ってみたでは爆発的に人気で、聞いてるだけで元気がでる！(ろんさんもだが)と評判がある。
もちろん私もその一人だ。




しかし、問題は性格だ。




松下さんは、私以上の腐女子なのである。


現実で素をさらけ出していると言った方が早いだろう。



普通に周りの人たちで妄想したりするし、この前なんか「黒板×チョークｈｓｈｓ」とか言ってたし。



いきすぎた腐女子。


しかしそれは学園内だけであって、腐女子ということを除けば明るく良い性格だ。





あれ、なんでまた、私誰に・・・・





「・・・・Aちゃん大丈夫？なんか顔色悪いよ？」
「えっ！？あ、大丈夫です大丈夫ですはははははははははははははははは」
「・・・・・おいこられをるに松下！！お前らが自重しないせいでAちゃんが壊れただろ！！謝れそこの自重コンビ！！」





ろんさんが二人に怒鳴る。

いや、二人のせいじゃないんですが・・・と言おうとしたころには、二人がもうお互いに手を合わせて笑顔で叫んでいた。





「二人合わせて」
「自重コンビ！」
「息ピッタリ！！」





キラキラと効果音がつきそうな笑顔を浮かべる二人を見て、私はろんさんに溜め息をつきながら言った。





「・・・・全然聞いてませんよあの二人・・・・・仲良いですね・・・」
「仲良いというかなんというか・・・まあ、自重コンビだからね」




ろんさんは小さく笑いながら言った。

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