【歌い手】人間不信。３

【第六十八話】 ページ13

「そこで叫んでいるのは哀れで惨めで小さな悩める子羊・・さあ、私に悩みを打ち明けなさい。





この美しい大天使『レ・オール』がなんでも解決してやらぁ！！！」






相も変わらず、可愛い声に合わない台詞だな。



そんなことを思いながら、私は目の前で叫んでいる茶髪の女性に声をかけた。





「・・・・『レ・オール』じゃないですよ・・・ていうか何ちゃっかり『美しい大天使』とか言ってるんですか・・・」





すると彼女はとぼけるように言った。





「え？だって本当のことじゃん！事実を言ったまでですが何か？」





・・・あぁ、駄目だこの人。



完全に話聞かないパターンだ。



私は疲れているのにやっかいな人に会った、と心の隅で思った。


しかし、よくよく考えてみると、見つけたのだ。目標の人を。




ずっと探し続けていた――――――






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「・・・・あの、自重しましょうよれをるさん・・・！」





れをるさんに。




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「レンドイン・ノーク≪自重≫・・・？やだー！！私は大天使レ・オールなのだー！！」
「なんでいちいち中二病風に言うんですか・・・しかも後半駄々っ子だし・・・」





私がツッコミをいれても負けじとボケるれをるさんとは、まあ皆さんご存じ歌い手のれをるさんだ。


歌ってみたや生放送でも分かるように、れをるさんの性格はというととても中二病なのだ。


例えると、今さっき「自重」のことを「レンドイン・ノーク」とか中二病風に名前を変える。


的な。



まあでもそんな彼女を愛する人も多く、特に我々の業界(察しろ)では受けにぴったりというなんともいえないせいかｋごっふぇごっほごっほうえええええええ




え？そんな頭で大丈夫かって？


大丈夫だ、問題ない。






「・・・っていうか、私また一体誰と話して・・・」
「美しいー♪大天使はー♪この世の中をー♪滅ぼしました！！！」
「れをるさんちょっと黙ってください」






・・・・もうだめだこの大天使・・・ついにこの世の中を滅ぼしちゃったよ・・・





あ、そういえばなんかれをるさんに聞くことあったような・・・



ま、いいか。忘れたもんはしょうがない。





そう頭の中で自己完結したときだった。






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「あ、Aちゃん」




後ろからこれまたかわいらしい声が聞こえたのは。

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