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#067 ページ29

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「私ね、孤児院の育ちなんだ」


ロボット山を離れて平原へ出た

あれからずっと静寂は続いていて、聞こえるのは芝生を踏む音と風の音だけだった所を、私が声をかけたのだ

何故昔の話をしようと思ったのかは分からない。今まで他人に自分の話をした事はあっただろうか。心のどこかで話したいという気持ちはあったのかもしれない


「ご両親の顔、覚えてないの?」
「うん。気づいたらそこにいた」


施設の人曰く雪の降るとある日の夜、玄関の前に毛布に包まれた生後数ヶ月の私をダンボールに入れて放置されていたそうだ

施設のベルが鳴り、それに気づいた職員が玄関に出て誰もいない中、私を見つけて拾ったのだと言っていた


「そうか、だからあの時お主は答えられずにいたのだな」
「うん、言葉が見つけられなかったから…」


私が言葉を濁した理由を知った二人は今までの言葉に納得して、頷いてくれた

辛気臭い話もお終いにして、これからどうするのか、目的地も決めずにただただ平原を歩いているとニーアは何か思い出したのか声を上げた


「昨日、崖の村でマモノが出たって聞いたんだ。ちょっと寄ってみない?」
「良い提案だが小僧、かなり疲労が溜まっているようだ」


正義感、責任感の強いニーアの事だ、いつもなら「そんな事ない」「そっちの方が心配だ」と反論するけど、今回ばかりは流石に堪えたらしい、目の生気が失われつつあった

なら一度村へ戻ろう。足をヨナの待つ村へ向くと、次は私が呼び止めた


「あの、気晴らしに違う所に行くのはどうかな。ヨナちゃん、シチュー作りたいって」


材料を買いにほかの近くの村、もしくは街へ行こう。そう提案すると考える間もなく二人は賛成した

今日はいつもに増して日光が心地よく差していて、この照り具合だとあと六時間はもつはずだ。更に足を反対に向け、私達は『海岸の街』へと向かって歩き出した


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#068 _海岸の街_→←#066



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友那(プロフ) - アスカさん» コメントありがとうございます!大変お待たせしました!ローペースではございますが頑張って参ります! (2019年11月18日 8時) (レス) id: 44b3cab9a4 (このIDを非表示/違反報告)
友那(プロフ) - 7Gさん» コメントありがとうございます!レプリカントはかなりコアな作品ですからね…。数少ない中この小説を見つけて下さりありがとうございます!頑張ります! (2019年11月18日 8時) (レス) id: 44b3cab9a4 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - 続き楽しみにしてました!更新頑張ってください!! (2019年11月13日 22時) (レス) id: a2799e8a84 (このIDを非表示/違反報告)
7G(プロフ) - レプリカントの小説探していたら辿り着きました…更新、ゆっくりでいいので友那さんのペースで頑張りすぎないでくださいね(T . T) (2019年11月13日 21時) (レス) id: 45cf7889d3 (このIDを非表示/違反報告)
友那(プロフ) - 迷子系女子さん» コメントありがとうございます!本当ですか!?感謝です!長らく更新できず、とても後ろめたい気持ちなのですが、次の更新までお待ち頂ければ幸いです (2018年10月1日 0時) (レス) id: cca667a573 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:友那 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年2月1日 3時

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