#062 ページ24
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下から覗き込むように姿を現した巨大兵器の頭部。そこに胴は無かったが、両脇には更に手型の部位が出現する
手型兵器が出てきた所で、部位は部位。私達はお構い無しに頭部へ私は左に左右に別れて同時に攻撃した
相手は鉄の塊の巨大兵器、そう簡単に大きなダメージを与えることが出来ず、それどころか反動で手が痺れて剣を手放しそうになった
思わず苦虫を噛むように歯を食いしばって、勢い余った体は一周して頭部と視線が合った時シロの声が試験場に響いた
「伏せろ!」
咄嗟に左、右手を見るとその手は人差し指を残して握りしめ、伸びた指先には高圧力のエネルギーが溜められていた
そして左手もまた高圧エネルギーが充填し始めていて、シロの言葉通り、着地した直後そのまま体を伏せる
頭上で放たれる光線。数m離れているにも関わらず、暖炉の火以上の熱気を感じた。あんなのに当たっていたら一溜りもなかっただろう
「周囲に気を配れ!」
「了解!」
この兵器の弱点は間違いなく頭部。叩いていればいずれ倒せるだろうが、手が邪魔をして思うように攻撃が出来ない
ならば手は一つしかない。ニーアへ目線を送ると、どうやら同じ事を考えているみたいで「右手は任せた」、そう言ってる気がした
互いに頷くと左右の部位へ駆け出し、近づくと見えた掌にある赤のライト目掛けて大きく振りかぶって落とした
「やあッ!」
頭部への攻撃に比べて幾分か手応えがあった。証に手は怯んで弾かれるように掌が広がる
よし、もう一発!
着地して、体の流れに任せて左から右へ上げるように切ろうとした時、「逃げて!」の声が響く。聞こえた方角、右側に視点を変えると左手の指先が私に向かっていた
振りかぶっていた剣を前方に柄が指先から塞ぐように向けると光線は柄で弾かれ、左手上に直撃してコンクリートと鉄の壁を一部破壊した
まともに光線を受けた衝撃で身は宙に浮いて広場の外へ投げ出され、二人の叫ぶ声が聞こえた
このまま落ちたら死んでしまう!
死を悟ったその時、大きな赤黒い手が私を拾った
これはシロの魔法の一つだ。その手はシロへ引き寄せ、近くまで来て降ろすとそのまま右手のランプを力強く殴った
右手は爆発して砕け散り、鎮圧した
「シロ!ありがとう!」
「無茶しおって。慣れていないのだから無闇矢鱈に突っ込むでない」
少々呆れ気味のシロに謝ると次はニーアから声がかかった
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友那(プロフ) - アスカさん» コメントありがとうございます!大変お待たせしました!ローペースではございますが頑張って参ります! (2019年11月18日 8時) (レス) id: 44b3cab9a4 (このIDを非表示/違反報告)
友那(プロフ) - 7Gさん» コメントありがとうございます!レプリカントはかなりコアな作品ですからね…。数少ない中この小説を見つけて下さりありがとうございます!頑張ります! (2019年11月18日 8時) (レス) id: 44b3cab9a4 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - 続き楽しみにしてました!更新頑張ってください!! (2019年11月13日 22時) (レス) id: a2799e8a84 (このIDを非表示/違反報告)
7G(プロフ) - レプリカントの小説探していたら辿り着きました…更新、ゆっくりでいいので友那さんのペースで頑張りすぎないでくださいね(T . T) (2019年11月13日 21時) (レス) id: 45cf7889d3 (このIDを非表示/違反報告)
友那(プロフ) - 迷子系女子さん» コメントありがとうございます!本当ですか!?感謝です!長らく更新できず、とても後ろめたい気持ちなのですが、次の更新までお待ち頂ければ幸いです (2018年10月1日 0時) (レス) id: cca667a573 (このIDを非表示/違反報告)
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