僕のヒーローアカデミア -虚空の紺- -vol.06-【轟焦凍】 (ページ25)

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No.193 ページ25

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あれから病院に搬送された後一夜明け、保須市総合病院へ治療の為身を寄せ、病室では緑谷、飯田、轟三人だけのいわゆる貸切状態となっていた

病室だからといって同級生三人も揃っているからか気負う必要もなく、緑谷が初めに口を開いた

「冷静に考えると…凄いことしちゃったね」
「そうだな」

「あんな最後見せられたら生きてるのが奇跡だって思っちゃうね」昨夜の殺意を込められた威圧。刺したのは緑谷を助けた…訳では無いだろう、恐らく気味の悪い敵が非道である事も合わせて贋物だと言ったのではと今は思う、がそれでもあの光景は痛烈に、瞼に焼き付いているほどに鮮明に思い出せる

「これたぶん…、殺そうと思えば殺せてたと思うんだ」
「ああ。俺らはあからさまに生かされた。あんだけ殺意向けられて、立ち向かったお前はすげえよ。救けに来たつもりが逆に救けられた」

「わりぃな」飯田に謝る轟に、あの時の状況と会話を思い返すと素直に喜ぶのは難しく「いや…違うさ、俺は……」と続けようとしたその時、横開きの扉が重く開かれる

「おおォ、起きてるな怪我人共！」
「グラントリノ！」
「マニュアルさん…！」
「私も居るぞ」

そうそうたるメンバーに緑谷達が驚いていると、プロヒーロー達の陰からひょっこり現れたのは同じくあの場で戦い、車椅子に座ってヨッと手のひらを見せる五十嵐だった

実に再会は昨日の手術ぶりで各々彼女の名を呼んだ

「五十嵐さん！傷の具合は…！」
「大丈夫なのかい…！？」
「ああ、割と」

上下に分かれた入院着をヒラリと開いて見せると思った通りの包帯の軍艦巻き。とりあえず包帯の取り換えと消毒で様子を見て、雄英に戻った際にリカバリーガールの治癒で徐々に完治させるという手はずになった

もう少し出血していたら死んでいたらしい。あの応急処置が良く効いたようだった

「だから大丈夫だよ、轟」
「…おう」

「お喋りはその辺にしておけ。その前に来客だぜ」とグラントリノが声を掛ける

「保須警察署署長の面構犬嗣さんだ」

「面、構…！」病室にさらに姿を見せたのは犬のおまわりさん…、警察署署長で長身の男性であり、「掛けたままで結構だワン」と色々とインパクトを残し五十嵐は入って右、緑谷の近くに車椅子を固定させる

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