No.190 ページ22
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「まァ…ようわからんが…とりあえず無事なら良かった」事情を聞かずとも状況を瞬時に理解したグラントリノと呼ばれたプロヒーロー。そういう割にはプンプン怒ってるから色々な気持ちが混じりあってるんだろうな
「エンデヴァーさんから応援要請承ったんだが…」
暫くしない内に他のプロヒーローと合流すると重傷者の人数や、ステイン等様々な反応を見せ、通信で救急車を手配してくれたり傷を見てくれたりしていると轟が呟いた
「あいつ…エンデヴァーがいないのはまだ交戦中という事ですか？」
「ああ！そうだ！脳無の兄弟が！」
「バカ乗り出すな、危ない」
「それと何だよ兄弟って」軽く緑谷の後頭部をはたくと、思い出したような声でプロヒーローが「あの敵に有効でない"個性"らがこっちの応援に来たんだ」と答え、エンデヴァーもまた交戦中であると教えてくれた
やっと一段落…と思っていたところで飯田が唯一動く拳を握ると細い声で「三人とも、僕のせいで傷を負わせた」と呟く
「本当に済まなかった。何も…見えなくなってしまっていた」
頭を上げない飯田に緑谷が「…僕もごめんね。君があそこまで思いつめてたのに全然見えてなかったんだ」「友達なのに…」と悔やむ表情を見せる
「しっかりしてくれよ、委員長だろ」
「そうだ委員長、頼りにしてるんだから」
だから、そんな暗い顔するなよ。そんな意味も込めて私達は委員長を呼ぶと、彼は心からの笑顔では無かったものの、どこか安心して吹っ切れたようにも見えた
それからはあっという間だった。飯田が零した涙を拭った時、プロヒーローが私を地面に座らせた時、グラントリノは叫んだ
「伏せろ！」
あまりにも唐突で瞬く間もないところで空飛ぶ脳無がこちらへ追撃してくる
どうやらヤツはエンデヴァーに応援を頼んだ敵らしく相当なダメージを与えた上で、中には取り逃しを疑う者もいたがそんな事を言っている場合ではない
こちらへ攻撃してくるのかと思いきや緑谷が掴まれたのもあっという間で反応が出来ず、そのまま空へと逃亡していく
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