#067 ページ8
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「王子は頼みを断った。なにしろ婆さんがあまりにも、オホン、みすぼらしかったから」
キャンドルの姿をした男性ルミエール曰く、側近であり、家来である自分達が、今までに王子を甘やかし、無関心というか、他人へは冷たく当たってしまう性格に育ってしまったという
これに置時計の男性コグスワースは、「それ以上は言ってはならん」と言うように彼の名を呼んだ
「おばあさんは人を見かけで判断してはいけないと忠告したのよ。けれども、王子はやっぱり断ってしまったの」
「するとお婆さんは美しい魔女に姿を変えた。それが本当の素顔だったという事だ」
そして魔女は王子の見た目を「冷たい心にふさわしいから」と、恐ろしいビーストに変えたのだという
ちゃんとした理由は魔女からは聞けなかったらしいが、伝えたかった事はきっと「あなたも私と同じ思いをして学べ」という事なのだろう
家来である皆も、彼を育てたという理由で、王子と同じ様に姿を変えさせたと最後に言った
＿＿だからといって、こんな姿ではさぞ不便だろう
「僕たちに出来ることはあるかな？」
「魔女を倒せばいい！」
「とんでもない！」
「もしかして、あてがあるんですか？」
「元に戻る方法はわかっているのですが、何しろご主人様があんな状態では…」困った様に言うルミエール。そういえば、様子が変だったと、私達は口にした
「もう誰も信じないという感じなんですよ」
ハートレスも恐らく原因となっているのではと推理するコグスワースに、「それなら俺たちの出番だ」とソラ自ら名乗り出た
「ビーストに会ってみよう」
「ありがたい！」
では早速、と言いたいところなのだが、私達はこの世界へついさっき訪れたばかり。どこにどの部屋があるなんて、わからない
……ということで、家来の方々に王子の部屋まで案内してもらう事となった
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