#038 ザ・ランド・オブ・ドラゴン ページ3
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青々と緑が生い茂る山頂
ここには赤と白の建物とたくさんの人々が暮らす都であったはずなのだが、燃え盛る炎によって一晩で跡形も無くなってしまった
夜が明けた今。無人となった都に一人の大柄の男は大きなハヤブサを連れて無となった都を見て、満足したように怪しく笑った
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場所は変わり、訳あって少年のような姿をする少女と、血塗れたように赤い目を持つ黒龍が樹海のように立ち並ぶ、深い竹やぶの中から『フン族討伐隊』と呼ばれる集団を見下ろしていた
「ムーラン、あいつがフン族のシャン・ユーだ今なら油断しているから倒せるかもしれないぞ!」黒龍が集団を見入る少女に言い聞かせるように言う
「なんという大手柄!なんという名誉!こりゃあ、ファ家の名は永遠に残るぞー!」
見た目とは似合わないハイテンションな声で、調子よく嬉しいそうにしている黒龍だが……、「わ、わかってるわ」少女ムーランは『女性禁制』とされている討伐隊に、これから入るという事に罪悪感や、冷徹と言われているシャン隊長への恐怖を感じ始めていた
しかし、少女にはある野望があった
それは『男として兵士となり、父に代わって家の名誉を守ること』
「まず、入隊を認めてもらわないとね」これには彼女も前向きではいるようだが、「シャン・ユーが怖いならそう言えよ」これにすんなり認めて彼女は身を構えると、黒龍は呆れるように頭を抱えた
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