#047 ページ12
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＿＿山道を進む事、約数十分
何体も立ち塞がるハートレス達を倒しつつ道を開け、隊の通り道を作っていく
これにソラとドナルドは最初は口出さなかったものの、後々に特攻隊が良かったと文句をあげる
特にソラはこういう類のものは必ずと言っていい程前に行きたがるため、文句を言うというのは私でもわかっていた
「喋ってないで、早く行くよー！」前にいる特攻二人は間を長くして返事をする
ふとピンの顔を伺うとどことなく疲れている様子であった
「大丈夫、ピン？」
「う、うん。でもこんなにも護衛が厳しいものだなんて思ってもみなかった」
＿＿大半はハートレスのせいだが……。
「ははは」と心にもない苦笑いを見せると、お次もハートレス……、ではなく、幾つもの巨大な岩石が今度は道を塞いでいた
「なぜこんなところに？このような話は聞いていないぞ」
シャン隊長は背後に並ぶ部隊員に問うが、皆頭を振るか、隣にいる者に聞くばかりで、誰も名乗り上がらない事に隊長は苛立ちを募らせる
このままでは埒が明かない。「じゃあ、俺たちが壊そう」と声をあげたのはソラであった
大人が十数人分の大きさの岩石だ。こんな巨大なものを壊せるのかと「出来るのか？」隊長は不安気に聞く
「一人じゃ無理だけど」呑気に笑うソラに隊長は、はあとため息をつき、軽く呆れてしまう
「まあ、俺たちに任せてください！いいよな、みんな？」
そういえば私達には何も話さずにいつの間にか話が進んでいる
またか、というように私達は当然思うわけだが、今に始まったことではない
「うん、いいよー」
「進まなきゃいけないのは変わらないしね」
「相変わらず人遣いが荒いなー」
最後にドナルドが言うと、確かに人遣いが荒い気もする。しかしそんな事よりも、嬉しいのはソラが私達を信じてくれているという事だ
「さ、ピンも」
「えっ！？」
「よし、やるぞー！」
「せーの！」の掛け声で五人同時に武器を振るうと岩が粉々に砕け散っていった
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