#033 ページ34
.
ソラが身を持って感じた感覚
それはイェン・シッド様から教えられた「『ゲート』をソラ自身が開く」という言葉に近いものだと彼は直感した
ようやく先へ進む道が見えた事にドナルドは歓喜する
「ごめん、レオン!世界が俺たちを呼んでる」
「XIII機関……、強敵のようだな、気をつけろよ」
これから旅立つ事に決めたソラはレオンに旅立ちの言葉を送ろうとしたのだが、私はここで止めに入る
「私…、このまま旅立つの、よくないと思う」
いつものサツキなら賛同するのに、なんてこの場の全員は思う訳だが、私もソラ達と同じく知らない内に時が進んでいる
「さっきまで戦って思った、私たちが強くなるように、敵も強くなってる
このままじゃ私たちは、きっとどこかで負ける
……このままじゃ、ダメ」
今までに無かった事にどうして?と問い始めるソラ達だが、私の事にふとレオンも気づき、賛成の言葉を述べる
「俺もソラたちの戦いを見ていて思ったが、ずっと眠っていたせいか力が落ちてる」
「え!?そうなのか!?」
自分の事なのに今まで気づかなかったのか…、ソラらしいといえばソラらしい……だが、そのままではこちらも困る
基本、各地を回って厄介事に巻き込まれる原因は良い意味でも悪い意味でもソラにあるから、強くなって貰わねば…
無論私も努力をするつもりではあるが、光のキーブレードを扱うソラはどうしても強くならねばならない
だとすると__
「街のハートレス退治…?」
「それはこっちとしてもありがたい」
えー、とふてくしてるソラに、力を貸してくれるのではなかったのか?とレオンが言えばぐうの音も出なくなる
「ちゃんとやれば飯を…」
「やる!!」
不服そうな目から『飯』という単語に目を輝かせる単純なソラにため息が出そうになるが、やる気を出してくれたのであれば、それでいい
「さすがレオン、ソラの扱いが慣れてるね」
「おまえほどではないさ」
私ほどではというのはどういう意味だ
…たまに思う事があるのだが、レオンとリクはどこか似ている気がする
なぜだろう、単純で子供のようなソラがいるからだろうか
最初、初めて会った時は近寄り難いお兄さんというイメージではあったものの、接している内に気づいた物腰の柔らかさに、二人はよく似ている…気がする
これも……、ソラのおかげ?
.
94人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ