#030 ページ31
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新たに手に入れた力ですらも使えず、ドナルドとグーフィーがおらずとも何とかこの場を切り抜け、防衛システムが解除され門が開く
すると外から聞こえてくるソラと私が扱うキーブレードに称賛とダメ出しの声に気に触ったソラはドナルドとグーフィーがいる外へ駆け出して行く
「姿を見せろ！」
怒りで少しばかり我を忘れてしまったソラの声に待ってましたというように一人の黒いフードの男が現れる
イェン・シッド様の塔で見た、あの幻影に似たものだ
現れた男は、両手を掲げるように天へ伸ばすと同じフードを着たものが複数人、姿を現せる
これに何を感じたのか、私の心臓、心が、大きく振動する
＿＿心のどこかで感じているのだ、あの得体の知れない者達に
フードの者達に私の目がどうしても外せなくなり、ソラとあの者達の会話が耳に入って来ない
＿ヤバい、このままだといつもみたいに倒れてしまう
まるで熱に侵された身体がフワリと倒れてしまいそうだ。足先に力を込め、倒れないよう踏ん張り、意識を保っているといつの間にかあの者達は姿を消していた
何だったんだろうと考え出すのも束の間、同じフードの者が一人、私達の前に再び姿を見せる
姿を出したり消したり、ぬらりくらりと卑怯な奴らめと思ったのは私だけではないだろう
先程みたいな現象は起こらず、こいつからはどことなく感じた事のある雰囲気を漂わせていた
「あぶない、あぶない」
「邪魔だ！」
「そんな言い方はよくないよなあ、俺を全否定か？」
飄々と話すこいつにソラもまた気に障ったらしく、珍しく怒りの表情を見せる
いつもならリク、グーフィーがそんなソラを落ち着かせるが、この様子だと、そういう訳にもいかないようだ
なら、私だけしか＿＿とこの場を落ち着かせる方法を考えていると次に私に話を向ける男
「お嬢ちゃん、久しぶりだなあ、何年振りだっけ？」
馴れ馴れしく話す男にソラは知り合い？と聞いてくるが、顔も出さないこいつなんか覚えているはずもない。私はこいつのノリにのって情報を聞き出そうと考える
「さあね、覚えてないよ、人違いなんじゃないの？」
「あれ？おっかしいな、青い髪だから同じ奴だと思ったんだが…」
あっさり人違いだと認めた男に少しイラッとはするが、ここは冷静に情報を聞き出して、出来るものなら私のこの『青い髪』もを知っているのなら、聞き出せる事は聞き出してやる
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