#015 ページ16
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「キーブレードに選ばれし少年よ、そなたが光の扉を開くカギだ」
イェン・シッド様の言葉にソラは分かったと言うその代わりに深く頷く
そしてイェン・シッド様は私達の顔を見るとゆっくり右手を動かし、机の上には三日月が表紙の分厚い本を出現させる
その本には旅に必要な知識が記されているという
イェン・シッド様は私達に本を渡すとさっそく私達は本を開く
そこには『はじまりの話』、『はざまの話』、『これからの話』、この三つが目次に書かれていた
私達は最初のページ、『はじまりの話』を開く
一通り読み終わり、本を閉じると厚い本特有の音が鳴り、読んだ事を実感させられる
閉じたその本は現れた時と同じように雲の中へと消える
「ちゃんと読んだか?」
「うん、それより──、どうして世界にはまだハートレスがいるの?」
「そなたたちの働きによって、大いなる闇から大量のハートレスがあふれだす事態は避けることができた
しかし、ハートレスは元々世界に存在している心の闇が具現化したもの
数は減ったが──」
「人の心に闇がある限りハートレスの発生を防ぐことはできない─と?」
次イェン・シッド様が言うであろう言葉を述べるとそのとおりと言うかのように首を縦に振ると私以外の三人は大きくため息をつく
するとグーフィーが輝きに満ちた顔でイェン・シッド様に訊ねる
「じゃあ、もし、心が光であふれれば、ハートレスはいなくなるんですね!」
でも、私はそうは思わない
人の心に光が来るのであろうか、人は常に憤怒、嫉妬、色欲、怠惰、暴食、強欲、傲慢と七つの負の感情を持っている
これほど深く悲しい感情を誰しも持っていると誰でも知っていて、知らない
悲観と現実で見る私は、世界の平和を求めていいのだろうか──
……そう、思ってしまう事がある
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