#013 ページ14
塔の中へ入ってみるとあるのは螺旋状の階段のみ
しかし階段の前に人並みの大きさをした渦のようなものが行く手を阻んでいた
さらに渦の中へ飛び込むと先に続くのは外見からは全く似合わない、大きな螺旋階段が上まで続いており、入ると同時に感じる強い魔力
「ドナルド、この魔力って──」
「イェン・シッド様の魔法だよ！なんていったって、イェン・シッド様は大魔法使いだからね！」
「あと王様のお師匠様だよ！」
先程のピートのように自慢げに言うドナルドとグーフィーだが、この魔力と王様の師匠なのだ
きっと──、いや、絶対凄い魔法使いに違いない
こんなに強力な魔法を扱えるのならぜひ教わりたいものだ
「その、イェン・シッド様って、この塔の上にいるのかな？」
「うん、いると思うよ」
「じゃあ、早く行こう！俺も早く会ってみたい！」
ソラの言葉にゆっくり上へ上へと足を進めているとシャドウだけでなく、頭の甲冑を被ったハートレス、ソルジャーまでもが現れ始める
恐らくピートが中へ送り込んだもの達の残りだろう
早くこのハートレス達を倒し、再び進むとまたハートレス達が現れる
ここまでの数に私達は危機感を感じ、ハートレスを倒しながらまた上り詰めていく
暫く経った頃だった
とうとう堪忍袋の尾が切れたドナルドは止めどなく現れるハートレス達に愚痴を零し始める
「ハートレスハートレスハートレス！世界は何にも変わってない！！」
「だから僕たちの出番なのかな？」
「世界は平和になっていないってこと？」
アンセムも倒し、闇の世界への扉も閉じたのに世界が変わらず、平和にすらなっていない──
なんだか今までの努力が水の泡だと、思いたくなくても思ってしまう
「グーフィー、イェン・シッド様って、世界のことにも詳しいのかな？」
「イェン・シッド様はいつも世界を見ている人だから、きっと何か知ってると思うよ」
なら、この塔を登りきり聞くしかない
その一心で最後にハートレスを倒しきり、なんとか登りきる
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