#001 トワイライトタウン ページ2
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肌寒く感じ、固く閉ざされていた瞼を開くと、私がいたのは森の奥深く、それなのに夕暮れで美しく反射した少し不気味な、大きな屋敷の門の前
「─なんでこんなところに?っ──! いったー!」
起き上がろうとするも、突然首元に鋭い痛みが走る
いつの間に首を叩かれたのか、それとも寝違ってしまったのか──
──約9割、後者が間違いないだろう
ソラよりかはマシらしいが、私も寝相が悪いらしい
──と、そんなことはどうでもいいし、後で考えるとして
「ここ、どこ?」
どこか懐かしく感じるが、見覚えのない景色
何をどうやってここへ来たのやら──
まず私が覚えているのは白い部屋で目が覚め、ナミネとディズと出会い、前に戦ったはずのアンセムと会ったこと
それから私の力やソラのことを聞いて──それから…それから──
──ダメだ、思い出せない
本当に私はどうしてここにいるのだろうか?
もしやここは、死の世界なのだろうか?
そう考えれば、あの白い部屋も、アンセムと何故会ったのかも納得がいくし、筋も通る
なんて事を考えている内に無意識の内に私の背筋に冷や汗が流れ、溜まった生唾をゴクリと飲み込む
だが飲み込んだ感覚はある。もしかしたら夢かもしれない
どうやったらこんな考えになるのかはわからないが、試しに頬を引っ張ってみる
が、やはり感覚はあり、これは現実なのだと思い知らされる
とにかく立ち上がろう、そう思い、立ち上がった時だった。屋敷の扉が開く
まさか──幽霊?
私は何が来てもいけるよう、身構える
「──サツキ?」
「ソラ? ドナルド? グーフィー?」
中から出てきたのは私がよく知っている三人組、ソラ、ドナルド、グーフィーだった
突然の再会に全員頭が追いついておらず、互いに互いの名前を聞きあう
するとようやく三人は私の事がわかったのか、三人同時に駆け出し、私に飛びかかってきた
もちろん私は支えきれず、勢いのまま後ろへ倒れ込んだ
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