37- THE 4th DAY -12- ページ41
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「ねえ！どうしよう！
ロクサスが塔から落ちて＿＿ え＿？」
ロクサスが塔から落ちるのを目の当たりにした私は慌てて屋敷のコンピューターがある部屋へ向かうと、コンピューターの前に座るディズとロクサスのクリスタルを持つアンセムの姿があった
「それ＿＿」
「ロクサスのことなら 心配いらない」
そう教えてくれたのはアンセムの方だった
ロクサスの身が無事だった事に、アンセムが助けてくれたんだと思い、私は素直に感謝する
「ねえ それって＿ ロクサスの＿＿だよね？」
「ああ」
まただ＿＿
この二人はロクサスの思い出をどんどん奪っていく
もう、時間が無いのに＿もう時間が無いからこそなのに＿＿
するとディズがコンピューターを見たまま「めざましい回復だな」と満足そうに言う
＿＿ディズ、私はこの人の真の目的を知っている
だから私はこの人に歯向かうのだ
「それにしても いったい何が起こったんだ？
突然回復が速くなるとは＿＿」
「ナミネとロクサスが接触した結果
ロクサスとカイリの心が 触れあった
それがソラに影響を与えた＿＿
ということだな」
ディズの言葉に凄いな、ナミネは＿と思わず私とアンセムは感心する
でもそれはソラの目覚めだけじゃない、ロクサスの消滅も意味する
思わずソラの目覚めは望んで良いことなのだろうかと私は思い悩む
「特別な生まれ方をしたノーバディ
ソラ そして ソラに連なる者の記憶と心に干渉する」
「ナミネは誰のノーバディなんだ？」とアンセムはディズに問う
「教えてもいいが＿＿
その前に 君の本当の名を教えてくれないか？」
無論、私はカイリだという事を知っている
今あの"力"が失っているとしても、ナミネからはカイリと同じ心の暖かさを感じるから
でも、アンセムの方は何も聞かされていないのだろうな
がしかし、ディズもまた彼の名の事は＿＿＿
「アンセムだ」
フードを取り、そう名乗る
目覚めてから、私はアンセムの顔を見ていない
しかし今フードを取ったアンセムの顔はあの時最後に戦った"アンセム"だった
そして何を思ったのかディズは口角を上げ、少し大きな声を出して笑う
「よろしくな アンセム」
.
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