157.5-記憶 3 ページ19
＿＿＿ __年前
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「うぅ……、グスッ…」
「どうした？何かあったのか？」
「グスッ…、お姉ちゃんからもらった剣のおもちゃ、壊れちゃった……。こんなんじゃお姉ちゃんたちを…、守れ、ないよ……、ゥワアァーン！！」
「あぁぁ！泣くな泣くな！その折れた剣を直せばいいんだよな？」
「…う、うん…、うん」
「じゃあ、俺が直そうか」
「……出来るの？」
「ああ！もちろんだ。俺も何回も折っちゃった事あってさ、修理には慣れてるんだ」
「…＿＿兄」
「ちょっと待ってろよ？」
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「ほら！出来たぞ！」
「ホントだ……、直、った……ゥワアァーン！！」
「え！？ど、どうした？どこか…悪いところでもあったのか？だったら急いで…」
「わかんない！でも、止まらないよお！」
「…ああ、そうか、それはな、嬉し泣きって言うんだ」
「嬉し、泣き？グスッ、嬉しいのに、泣くの？」
「そうさ。ヒトって不思議だよな、悲しくても辛くても、嬉しくても涙が出るんだ」
「うん、凄い…」
「だろ？」
「グスン…、これで、また、お姉ちゃんたちを守れるよね！」
「ああ、そうだな。でもまずは本物を出せるようにならないとな」
「…いつか、出せるようになるよ！」
「はははっ、ああ。使いこなせて俺と戦える日を待ってるよ」
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