55-テスト ページ3
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闘技場に入ってみるとタルが20個ほど各地に置かれていて、トレーニング用なのか高低差の激しい台座がいたるところに配置され、いかにも動きにくそうだった
フ「ルールは簡単だ。『時間内にタルを全部こわす』、以上！」
笛がなると同時に、ソラは次々とタルを壊し始めた
＿＿＿私、そんな気分じゃないのになぁ＿＿＿＿
私は一人そう思いながらタルを壊し始める
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しばらくした後、終了の笛が闘技場に鳴り響く。私は19個、ソラは20個全て壊し、フィルは紙を手にしてうんうん頷きながらペンで何かを書き込んでいく
フ「ふむふむ………、悪くはない。ま、初心者コースだからな
嬢ちゃんは惜しかったな。もう一回受けるか？」
そう聞かれ、私は即座に首を横に振るとフィルにキョトンとした表情で首をかしげた
ソラ達が楽しそうに話しながらここから離れると、闘技場には私とフィルだけになった
フィルは私に近づくと屈むように手招きし、耳元で小さな声で話しかける
フ「嬢ちゃんはただの嬢ちゃんじゃないな」
「いえ、私はそんな大した者じゃ」
フ「いやいや、隠さんでいい。そうすればきっとお前さんはもっと伸びる。わしがアドバイスを二言教えてやろう
『隠さず、自分らしく、戦え』」
＿＿＿三言じゃん＿＿＿＿
フィルはそう言い残し、ソラたちがいるところへ戻っていった
私はフィルが言っていることが、さっぱりわからなかった
しかし、何故か聞いたことがある言葉だった
「自分らしく動く……、かぁ」
＿＿＿もしかして 私……
＿＿＿どこかでソラたちに迷惑をかけてる？
「そんなことあるはずない」と自分に言い聞かせるように、首を横に振ると休憩時間が終わったのか、ソラたちが戻って来てその後のソラは次のテストも成功に終わった
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