第182話 ページ8
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『安心したわ。』
パタパタと遠ざかるゆづくんの足音のかわりにトレイシーが入り口に立っていた。
『勘違いはやめて。今のは、私が彼のTシャツをぬらしちゃったから乾かしてただけなの。』
『そうかしら?ふふっ』
『茶化すために来たなら帰って。』
楽しそうに笑うトレイシーを睨んだ。
『それだけじゃないわ。これ、ユヅのルームキーのスペアよ。』
『どうして私に?』
トレイシーが差し出したルームキーは確かにゆづくんの部屋の番号が書いてある。
『ユヅのお母さんからよ、「息子からいつも頼りになる人だ」ってきいてるから貴方に渡しておくのがいいって。』
『でも……、ゆづくんの部屋に行く事なんてない……。』
『別に特別な理由なんていらないんじゃないの?避ける必要だってないはずよ。
ほら、ただの人間のふりをしてればいいじゃない!それで、ユヅルと恋を……』
『明日早いの!もう出てって!』
『もうわかったわ、じゃ明日ね。』
別にトレイシーやゆづくんが悪いわけじゃない……
ただ、私が弱いだけ……
「無理だよ……匂いだけでも血が欲しくてたまらないのに……」
私の震えた声を枕で押し殺した。
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夕凪(プロフ) - KIKIさん» ありがとうございます!ちゃんと完結できてほっとしてます!これからもがんばりますのでこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年3月30日 19時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - かりん。さん» ありがとうございます!なんとか完結できてほっとしてます!笑かりん。さんの小説も楽しみにしております!(//∇//) (2017年3月30日 18時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» 完結おめでとうございます。涙が止まりません(泣)もう一度1から読み直したんですけど、やっぱり羽生君の記憶を消すシーンずっと泣いてました(笑)これからもいろんな小説書いていかれると思いますが、頑張ってください! (2017年3月24日 23時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
かりん。(プロフ) - 完結お疲れ様でした!毎回楽しみに読ませて頂きました(^。^) 最後はハッピーエンドで本当によかった♪ (2017年3月24日 17時) (レス) id: 8481dc9fe3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» もう少しで終わってしまうんですね(泣)寂しいです。でも、主人公ちゃんと羽生君が幸せになることを望んでます!!!!!! (2017年3月24日 16時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆーなぎゅ | 作成日時:2016年11月5日 22時