第308話 ページ44
*
『ブライアンありがとう。私は大丈夫、だから彼女を怒らないで……。ユヅルに水を頼まれてるから行くね。』
立ち上がってエレベーターを出る私の腕をエリーナがつかむ。
『あ………ご、ごめっ』
『エリーナ、貴方は間違ってない』
エリーナが謝ることは何もない、だって彼女は事実しか言っていないのだから。
もう、終わりにしよう。
全部。
ガラガラガラ……
ホテルのような綺麗で広い病室で彼は静かに寝息を立てていた。
「綺麗………。」
朝、たまにゆづくんよりも早く起きて見るこの顔が好きだった。
怖い夢を見たとき、目が覚めたらすぐ隣で眠る寝息を聞くのが好きだった。
寒いとき、引っ付いてくる脚から感じる体温が幸せだった。
もう終わりにする。これで最後。
「(人1)さん、どこ行くの?」
眠っていたと思っていた彼に指を握られる。
「どこにも行かないよ。」
「ウソ。今、消えそうだった。」
よいしょ、と片手をついて起き上がる。
「これから先の選手生活も、引退してからもずっと一緒にいて欲しいのは……」
心臓がドキドキする。ドキドキ苦しくて、うるさくて……大声を出して泣きたい。
「好、きっ……、」
一気に気持ちが溢れて、求めたくなって我慢が出来なくなる。
そして、それを相手にも求めたくなる。
苦しみをどうにかしてほしくて、ぎゅっと抱きしめた。
*
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夕凪(プロフ) - KIKIさん» ありがとうございます!ちゃんと完結できてほっとしてます!これからもがんばりますのでこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年3月30日 19時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - かりん。さん» ありがとうございます!なんとか完結できてほっとしてます!笑かりん。さんの小説も楽しみにしております!(//∇//) (2017年3月30日 18時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» 完結おめでとうございます。涙が止まりません(泣)もう一度1から読み直したんですけど、やっぱり羽生君の記憶を消すシーンずっと泣いてました(笑)これからもいろんな小説書いていかれると思いますが、頑張ってください! (2017年3月24日 23時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
かりん。(プロフ) - 完結お疲れ様でした!毎回楽しみに読ませて頂きました(^。^) 最後はハッピーエンドで本当によかった♪ (2017年3月24日 17時) (レス) id: 8481dc9fe3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» もう少しで終わってしまうんですね(泣)寂しいです。でも、主人公ちゃんと羽生君が幸せになることを望んでます!!!!!! (2017年3月24日 16時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆーなぎゅ | 作成日時:2016年11月5日 22時