第306話 ページ42
*
「結弦……、」
「すみませんっ……、本番前なのに、こんなことして……切り替えなきゃ。」
私変だ、こんな瞬間なのに少し嬉しいって思ってる。
「結弦。」
一生懸命涙をぬぐう彼を抱きしめた。
「貴方のこと信じてる。ただ、怖くなってしまった。貴方を失ってしまったら……息が出来なくなるの。
結弦を信じてる、だから結弦も私を信じて。大丈夫だから。」
「(人1)、ありがと。行ってきます。」
腕から離れた彼の表情は強く美しくて、もう涙なんて浮かべていない。
コツンと一瞬触れたおでこが熱くて……、ジンジンする。
「それはズルいよ……、ゆづくん。」
じわじわ紅くなる顔を押さえながらどんどん進んでいく背中に呟いた。
ゆづくんの�爛侫．鵐肇爿瓩�終わった瞬間、会場は大きな拍手に包まれた。
ゆづくん、聞こえてる？
貴方の演技を観た人達からは必ずたくさんの『ありがとう』が聞こえるんだよ。
いろんな意味、言葉の『ありがとう』
それは、貴方がこの言葉を絶対に忘れないからなんだよね。
知ってるよ、たくさんのファンの方達や自分の名前を刻まれたバナーを見ながらこっそり『ありがとう』って言っていること。
「はぁ、はぁ……。」
バックヤードでの彼はいつもより息が荒くて、なかなか呼吸が落ち着かない。
『ブライアン、早く病院に！』
時間が経つほどにぐったりする彼を見るのは辛かった。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夕凪(プロフ) - KIKIさん» ありがとうございます！ちゃんと完結できてほっとしてます！これからもがんばりますのでこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年3月30日 19時) (
レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - かりん。さん» ありがとうございます！なんとか完結できてほっとしてます！笑かりん。さんの小説も楽しみにしております！(//∇//) (2017年3月30日 18時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» 完結おめでとうございます。涙が止まりません(泣)もう一度1から読み直したんですけど、やっぱり羽生君の記憶を消すシーンずっと泣いてました(笑)これからもいろんな小説書いていかれると思いますが、頑張ってください! (2017年3月24日 23時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
かりん。(プロフ) - 完結お疲れ様でした！毎回楽しみに読ませて頂きました(^｡^) 最後はハッピーエンドで本当によかった♪ (2017年3月24日 17時) (レス) id: 8481dc9fe3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» もう少しで終わってしまうんですね(泣)寂しいです。でも、主人公ちゃんと羽生君が幸せになることを望んでます!!!!!! (2017年3月24日 16時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆーなぎゅ | 作成日時：2016年11月5日 22時
