第300話 ページ36
*
「今日は嫌がらないんですね。」
いつもなら嫌がったり逃げたりの相手が急に思うがままで驚いただろう。
「今日は母が日本に帰ってるので1人なんです。朝まで一緒に居てくれませんか?」
その言葉の意味がどういうことなのか分からないなんてことないし、断ることももちろん出来たはずなのに自分で気が付く前にコクンと頷いていたようだった。
自分じゃないような声と絡み合う目線、熱さと痛みが入り交ったような感覚。
この先、どんなことがあっても忘れられない思い出が一つ増えた。
「ねぇ、起きて。」
「寒い……もう少しだけ暖めて〜。」
目覚まし時計よりも先に起こそうとしたのに、寝返りを打つように転がる彼にまた布団の中に戻される。
ゆづくんこんなに寝起き悪かった!?
「だめ!起きて!」
「起きてる……、おはようございます。」
なんか懐かしい感じがします、と笑う彼は何もまとわずシーツの以外素肌を隠す物がない。
こんなに男の人になってたんだ……。
角張った肩、薄いようでしっかりとした胸板。
昔でも大きかった手はもっと大きくなってる。
「結弦、顔真っ赤……。」
「ジロジロ見ないで下さい……、それよりっ服着てください!」
相手が素肌のままなら当然、自分も素肌のまま。それに布団から逃げたせいで全く隠していない状態だった。
「恥ずかしぃ……。」
「俺もです……。」
昨日はこれ以上の恥ずかしさを越えた癖に明るくなって急に顔を赤くするお互いに笑った。
*
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夕凪(プロフ) - KIKIさん» ありがとうございます!ちゃんと完結できてほっとしてます!これからもがんばりますのでこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年3月30日 19時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - かりん。さん» ありがとうございます!なんとか完結できてほっとしてます!笑かりん。さんの小説も楽しみにしております!(//∇//) (2017年3月30日 18時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» 完結おめでとうございます。涙が止まりません(泣)もう一度1から読み直したんですけど、やっぱり羽生君の記憶を消すシーンずっと泣いてました(笑)これからもいろんな小説書いていかれると思いますが、頑張ってください! (2017年3月24日 23時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
かりん。(プロフ) - 完結お疲れ様でした!毎回楽しみに読ませて頂きました(^。^) 最後はハッピーエンドで本当によかった♪ (2017年3月24日 17時) (レス) id: 8481dc9fe3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» もう少しで終わってしまうんですね(泣)寂しいです。でも、主人公ちゃんと羽生君が幸せになることを望んでます!!!!!! (2017年3月24日 16時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆーなぎゅ | 作成日時:2016年11月5日 22時