第178話 ページ4
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「何言ってるの?明日も……」
言い終わらないうちにゆづくんにベットへ引き戻される。
ボスンッ
布団の上に沈み込み、白い天井が見える。
「嫌です、だって……出会った日から気になってて、でもなかなか掴めなかった人にやっと少し近づけたんですから」
私に覆い被さるように彼が見下ろす。
きゅっと握られた手首からドキドキという鼓動が伝わってしまいそうで怖い。
「ふざけないでっ!」
「ふざけてません!俺っー……」
ピンポーン
タイミング良く割って入ってきたインターホンに心臓が止まりそうになる。
だってここはオリンピックの選手村。少しでもネタを撮ろうとメディアがウロウロしているのだ。
もし、変なゴシップでも出れば………。
「俺出ますね。」
「ダメ!!!」
部屋を出て行こうとするゆづくんの腕にしがみついた。
私はまた彼のスケートを邪魔してしまうんじゃないか?
心の中の私が意地悪に笑う。
「(人1)さん?」
「ダメ……、貴方のスケートをもう誰にも邪魔させないっ」
ピンポーン
もう一度押されるインターホンに体が強張った。
「大丈夫ですよ、ここはメディアの人は入れません。」
どうして私の気持ちがわかったのかわからないけれど、彼の笑顔で少し楽になった。
「トレイシーかもしれませんよ?安心して出てみてください。」
ここのホテルにはのぞき穴がない、こっそりとドアを開け声を出した。
「はい……?」
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夕凪(プロフ) - KIKIさん» ありがとうございます!ちゃんと完結できてほっとしてます!これからもがんばりますのでこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年3月30日 19時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - かりん。さん» ありがとうございます!なんとか完結できてほっとしてます!笑かりん。さんの小説も楽しみにしております!(//∇//) (2017年3月30日 18時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» 完結おめでとうございます。涙が止まりません(泣)もう一度1から読み直したんですけど、やっぱり羽生君の記憶を消すシーンずっと泣いてました(笑)これからもいろんな小説書いていかれると思いますが、頑張ってください! (2017年3月24日 23時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
かりん。(プロフ) - 完結お疲れ様でした!毎回楽しみに読ませて頂きました(^。^) 最後はハッピーエンドで本当によかった♪ (2017年3月24日 17時) (レス) id: 8481dc9fe3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» もう少しで終わってしまうんですね(泣)寂しいです。でも、主人公ちゃんと羽生君が幸せになることを望んでます!!!!!! (2017年3月24日 16時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆーなぎゅ | 作成日時:2016年11月5日 22時