第193話 ページ19
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ゴンゴンッ
「はい。」
荒めのノックの後に割と早く声が帰ってきたことに驚く。
『おはようございますっ、Aです。』
朝起きたときの姿とネクタイが何を意味するのかはそう言うことに疎い私でも容易に想像できて、ネクタイだけでも渡して逃げようと言葉を走らせた。
『これ、私の部屋に忘れてましたっ!』
「(人1)さん」
ゆっくりと名を呼ばれる。
でも、その声は町田さんじゃなくて…………。
「ゆ、ハニュウ……。」
私としたことがゆづくんと町田さんが同部屋だったことすっかり忘れていた。
「樹君に用なんですよね?」
「えっと、そうなの、です。」
「ははっ、どうして急に敬語なんですか!どうぞ、中でまってて下さい。」
一瞬手の中から見えるネクタイをジッと見つめてから、笑顔でドアを開けて私の肩に手を添えた。
「お邪魔します。」
綺麗に整えられたベッドに対し、シーツばぐしゃつき乱雑にジャケットやネクタイが散らされたベッド。
「俺のベッドこっちです。すみません、荒れてて。」
ドスッと座ったゆづくんの隣に少し間を開けて座る。
よく見れば昨日のスーツのままで、シャツは第三ボタンまで開いている。
「どしたの?こんなに荒れて。」
なんとなく気まずい雰囲気から逃れるために、壁にかけられたハンガーにジャケットをかけようと伸ばした景色がぐるりと回って真上からゆづくんの声が降ってきた。
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夕凪(プロフ) - KIKIさん» ありがとうございます!ちゃんと完結できてほっとしてます!これからもがんばりますのでこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年3月30日 19時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - かりん。さん» ありがとうございます!なんとか完結できてほっとしてます!笑かりん。さんの小説も楽しみにしております!(//∇//) (2017年3月30日 18時) (レス) id: cadeec7ec3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» 完結おめでとうございます。涙が止まりません(泣)もう一度1から読み直したんですけど、やっぱり羽生君の記憶を消すシーンずっと泣いてました(笑)これからもいろんな小説書いていかれると思いますが、頑張ってください! (2017年3月24日 23時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
かりん。(プロフ) - 完結お疲れ様でした!毎回楽しみに読ませて頂きました(^。^) 最後はハッピーエンドで本当によかった♪ (2017年3月24日 17時) (レス) id: 8481dc9fe3 (このIDを非表示/違反報告)
KIKI - 夕凪さん» もう少しで終わってしまうんですね(泣)寂しいです。でも、主人公ちゃんと羽生君が幸せになることを望んでます!!!!!! (2017年3月24日 16時) (レス) id: 9086491411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆーなぎゅ | 作成日時:2016年11月5日 22時