ヴァンパイアとイベリス〜５〜

第185話 ページ11

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『マチダさん！』


『ユヅルじゃなくて残念ですか？』



何語で話して良いのか分からずに困っていたのを後ろから助けてくれたのは町田さん。



『そんなことっ！無いです…よ…』


『ははは。すみません、少しいたずらしてみました。それにしても(人1)さん、そのドレス……。』


『似合わないですよね……、トレイシーに無理やり。』



さっきまでのおどけた表情ではなく真剣な目でじっと見つめられ恥ずかしい。
口元に手を当てなが小さくらうんうんと頷いて、微笑んだ。


『似合ってますよ。髪も下ろしてるんですね、美しいです。』


『誉めすぎです！』



町田さんがあまりにもすらりと美しいなんていうから少しドキッとした。



『本当のことです……。(人1)さんは自己評価が低すぎませんか？』


『マチダさんが大袈裟なだけじゃないですか。』



そういえば、ゆづくんや佳菜ちゃんも私によく可愛いと言ってくれたなと思い出す。

ゆづくんのフリーが終わった後、佳菜ちゃんがリンクサイドにやってきて2人がハグをして健闘をたたえ合っているのを見て嬉しくなった。


彼の金メダルに驚く声も守りたかったけど、1番守りたかったのは2人の笑顔だったから。





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