幸せを刻む音 ページ13
『愛しているわ。』
向こうから聞こえてきた彼女の声は
確かに笑っていた。
いつもの彼女の偽りのない真っ直ぐな言葉。
こんな状況でそう言われたのは
初めてだった。
僕の家はそこそこの権力があって、
僕の愛した人を殺して保管する異常な愛を
家族も理解して匿ってくれている。
でも、僕のこの異常さを出して
それでもまだ、愛してくれた人はいなかった。
「君は…ずるいな…」
「そんなことを言われたら
僕はもう…誰も愛せないじゃないか」
もう僕の心はあの性悪な善人に
支配されてしまった。
僕の胸を占める彼女への思いは
殺してしまうことに対する悲しみじゃない。
誰かに救われたような、幸せな思いだけだった。
「幸せな時は…ステップを踏むんだよな」
僕は踵を返し、幸せを刻み続けた。
1人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうな(プロフ) - ナズナさん» ありがとうございます!ドストレートな感想とても嬉しいです! (2016年9月3日 22時) (レス) id: 65f6c5a16f (このIDを非表示/違反報告)
ナズナ(プロフ) - 好きです!!大好きです! (2016年9月3日 22時) (レス) id: 31ccddbd6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆうな | 作成日時:2016年8月27日 3時