前世(2月27日新撰組の日) ページ4
「前世って信じます?」
突然そんな事を言い出すAに真島は変な声が出た
「急にどないしたん?」
平日の昼下がり、建設業は休みでゆったりとした空気が部屋に流れるなか、急に前世の話を振るなんて思いもしなかった真島は彼女の言葉を待つしか無かった
両手にマグカップを持って真島の横に座ると流れで手渡し口を開く
「たまに見るんですよ、夢で。私達がいるんですけど幕末で、顔は同じなんですけど名前は違うんですよね」
「俺の名前はなんて言うんや?」
「平山五郎です。漢字は違いますけど同じ"ごろう"さんですよ?」
平山五郎という名前に確かにしっくりと体に馴染んでいくような感覚に確かに前世はそんな名前だったかもしれないと真島はコーヒーを飲みながら思った
「ふーん。Aちゃんとはどんな仲やったんや?」
「幼馴染みです。私が一方的に平山さんが好きだったみたいですけど。平山さんはお侍さんで私は芸者なんですよー」
「平山ってやつは見る目ないのぅ」
「昔の自分かもしれないのによく言いますね」
あーだこーだ言うAを宥めながら聞いているとひとつ引っかかる所があった真島は聞いてみることにした
「Aちゃんと平山ってどれくらいの頻度であってたん?」
「うーん、週1くらいで何時も夜でした。それが突然会えなくなって…そしたら名前を替えてたんですよ」
「ん??どういうことや」
「久しぶりに来たと思ったら"沖田総司"って呼んでくれって。新撰組に入ってて、急展開過ぎますよね」
沖田総司の名前もしっくりくる真島はよく分からない気持ちになってきていた
平山は訳あって沖田総司になるだなんて余程の事をしたのだろうか
誰でも知っている歴史上の人物が前世だなんて信じられない話だがAは夢の話なのにも関わらず、実際に体験したかのように語るので真島はもう信じるしか無かった
その日の夜、真島は昼間にAから話を聞いたからか自分が新撰組の羽織を着てAに会い行く夢を見た
「ようAちゃん」
「沖田さんこんばんは」
Aは優しく微笑み家の中へ案内すると茶を入れてくれる
まるで昼間のようだと感じながら飲んでいるとAと真島は目が合った
蝋燭の明かりで照らされて強調されたぷっくりとした唇
横からでもハッキリとわかる長いまつ毛
夜にあっていた理由が何となくわかった
そして片思いでは無かったことも
「好きやで、Aちゃん」
節目(3月8日散髪の日)→←夢からの脱出(2月26日脱出の日)
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レイナ(プロフ) - 雲雀さん» ありがとうございます!不定期ですがよろしくお願いしますッ (2021年2月25日 23時) (レス) id: 62f57f1f40 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - 短編連載おめでとうございます!これからの展開が楽しみです!! (2021年2月25日 16時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:★レイナ☆ | 作成日時:2021年2月23日 15時