死蝶は舞う〔龍が如く〕

參拾陸 ページ40

貴方side



自分かと疑うほどに女の子らしくなっている



これが自分なんて信じられねぇわ



いや、メイクした事ないとかじゃないから



男に見えるようなメイクならそこそこやるから



と言っても元々が男っぽいが．．



まり｢はい、これ｣



ん?渡されたのはポーチ



まり｢中にはライターにハンドタオル。それとファンデーションとかリップが入ってるわ｣



まり｢ライターはお客様が煙草を吸う時用よ、火をつけてあげるの。ハンドタオルはお酒を注いだ時に付いた水滴とかを拭き取るため。あとはメイク直しに｣



わかりやすく説明してくれるまりさん



ライターは自分の持ってるけど．．まっいっか



まり｢困った事があったらいつでも言ってね!さっ、早速だけどお客様の所へ行きましようか｣



まり｢靴を履き替えて｣



急かすまりさんはなんだか楽しそう



でも、いきなり客んとこ行くのかよ．．



言葉使い気をつけねぇと



背中を押されて店内に入る



?｢お、まりちゃん!｣



声を掛けてきたのは紳士っぽい方



スーツにハットを着こなしている



ま、スーツは組のもん皆着てるが



?｢新しい娘かい?｣



まり｢短期なんだけどね。ほら、挨拶!｣



肘でクイッとつつかれ急いで頭を下げた



貴方｢Aです。よろしくお願いします｣



?｢ああ、よろしく頼むよ。指名はAちゃんで｣



第一印象はまずまずか?



すげぇ久しぶりに本名言ったけどなんか呼ばれなれていないしプラスちゃん付けは体がゾクゾクする…



まり｢まだ右も左も分からない娘ですが大目に見てあげてっ｣



?｢もちろんだとも｣



まり｢さ、お客様をお席に案内して差し上げて｣



貴方｢あ、はい!｣



言われた通り席に案内して座る



貴方｢改めまして、Aといいます。よろしくお願いします｣



言葉と一緒に笑っておく



?｢改めてよろしくね。私は早乙女剛(さおとめつよし)。そんなに固くならないで、タメ口でいいからリラックス｣



気が付かないうちに力が入っていたようだ



早乙女｢じゃあ、Aちゃんは何が好きなのか教えてくれるかい?｣



早速の質問、女の子らしい回答が求められるぞ



全て嘘ではなく本当の事も混ぜなければ…



貴方｢食べ物だと苺が大好きです！あとはお昼ねにショッピングかな｣



その時、明らかに女ではない(オカマ)声が店に響いた

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