死蝶は舞う〔龍が如く〕

弍拾壱 ページ24

貴方side


貴方「待たせたな」





多少しくじったが、難なく倒す事が出来た





真島「頬思ってたより切れてしもうたなぁ」





そう言って革手袋を外し、指先で血を軽くすくう





真島「まだ止まってないやないか」





そう言ってまじにぃは指先に付いた血を眺めた





これくらい大した事ないと言うと綺麗なハンカチを取り出し頬の血を拭き取ってくる





真島「ええやないか」





貴方「もう、子供じゃねぇし．．」





真島「他が怪我しようとどうでもええ。だが、月城ちゃんが怪我するんは、なんや嫌やねん」





変なのー





真島「今、なんや侮辱したやろ」





バレてる．．





貴方「そ、そんな事ない!俺もまじにぃが怪我するの好きじゃねぇ．．しよ．．」





俺だってまじにぃが大事なんだよ





真島「ほう．．そうか。そや、今から俺ん所来るか?手当てしたろ!」





そんな大したもんじゃねぇ!





貴方「いやいやいや、そこまでじゃねぇし！いいから!」





そこまでじゃねぇからと何度言っても聞いてもらえず、無理やりまじにぃの事務所に行く





真島「ほれ、ここ座り。西田!救急箱もってこい!」





西田「へい」





貴方「だからいらねぇって!」





駄々を捏ねているうちに目の前に救急箱が用意される





真島「じっとしときや」





諦めよう





綿にアルコールを染み込ませて傷口を軽く叩く





貴方「ｯ．．!」





思ってたより染みて痛い





真島「じっとしとれ」





でも以外に優しい．．





ガーゼを頬に当てサージカルテープで止める





真島「少しガーゼに染みとるが．．ま、ええやろ」





そう言って頭をガシガシと撫でられる





子供扱いは嫌だけど頭を撫でられるのは落ち着く





真島「ほんま、撫でられるの好きやなぁ。幸せそうな顔しとるわ。だから子供やねん」





顔に出てたのか．．!





恥ずかしい!!





真島「ほな、酒持ってくるわ」





あ、出ていってしまった





まじにぃは大袈裟なやつだ





でも、そんな所も好きだったりする。かもしれない





真島「ワインや」





ワイン瓶とワイングラスを2つ片手に戻ってきた





あ、ドンペリじゃん





貴方「気使わんでいいのに」





真島「お前こそ気使うなや。それに、まだまだあるしな」





貴方「そうか」





ポンｯといい音をたてて栓が抜かれ、グラスに注がれていく





グラスの底からしゅわしゅわと音を立てながら泡が弾ける

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