死蝶は舞う2〔龍が如く〕 (ページ7)

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伍拾ページ7

貴方side

貴方｢落ち着きましたか?｣

まりさんが落ち着くまで時間がかかると思い、キャバ嬢Aから月城亜蝶の姿に戻ってまりさんを見ると疲れたのか机に伏せて眠っていた

こんな所で寝ると身体痛めるけど今はそっとしておこう

着ていたジャケットを脱いで彼女に掛ける

まりさんにとっては今日の出来事は怖ったのだろうか

か弱いカタギの女性だ

ヤクザと言う男には力も後ろ盾にも敵わない

今日の出来事が起きたのは勿論悪い事だが、彼女1人のときでなくて良かったと思う

まり｢…ん…?｣

貴方｢目が覚めたようで､お嬢様?｣

まり｢…え?…ってAちゃん!?｣

貴方｢まぁ、今は月城亜蝶だけどな｣

まり｢そ、そうね。…あと私お嬢様って柄じゃないわ｣

貴方｢いやいや〜｣

まり｢フフｯ…。ジャケットありがとう。それに私を助けてくれて｣

貴方｢そんな当たり前の事、感謝なんてしなくていい｣

まり｢貴方が男だったら完全に好きになってたわね｣

俺そんなカッコよくなくない?

貴方｢もっといい男はいますよ｣

まり｢そうかしら?｣

貴方｢…でも男として見てくれるのは嬉しいな。それだけ男として生きられてるって事だろ?…もう落ち着いたか?｣

まり｢貴方のお陰でね｣

まりさんからジャケットを受け取り羽織ってから従業員用の冷蔵庫からミネラルウォーターを2本取り出し1本をまりさんへ渡す

まり｢ありがとう｣

貴方｢いえいえ。まりさんも着替えて、今日はもう帰ろう｣

まり｢え?でもまだお仕事が｣

貴方｢あんな事になったんだ。店長だって休ませるはずさ。文句行ってきたら俺に言えばいい｣

まり｢そうね。着替えて来る｣

貴方｢おう｣

"パタン"と閉まる扉に手を振り伸びをする

まじにぃ今頃ボコボコにしてるんだろうな

それでクビにならないといいけど

正直気になるがまりさんがいるので見に行くのは辞めておこう

まり｢おまたせー｣

しばらく待っていると細めのジーンズに白のニットといった私服姿のまりさんが戻ってきた

貴方｢ドレスじゃない姿も綺麗だな｣

まり｢貴方って女たらしなわけ?｣

貴方｢…?｣

まり｢はぁ…罪な人ね｣

貴方｢そう、なのか…?まぁ家まで送るよ｣

まり｢そこまでしなくていいのよ?1人で大丈((｢女なら素直に送らせとけばいいんだよ｣｣

ジャケットをもう一度脱いでまりさんの肩に掛けて歩き始めた