玖拾 ページ47
貴方side
真島「やっと解放されたわ」
何時もの格好で伸びをするまじにぃは今日で退院という事で西田と俺、運転役に真島組の新入り川村を連れて迎えに行ったが、肝心のまじにぃは車に乗ろうとはせずに腕を回したりしている
西田「あのー、親父?なにしてるんすか?車で川村が待ってますよ」
真島「いらん」
西田「はい??」
真島「ここ数日ろくに動いとらんのに帰る訳ないやろが!(バシッ!!)」
あっ、西田がダウンした…
真島「月城チャン行くでぇー!」
貴方「はいはい」
こうなったら誰も止める事が出来ない
おかげで売られた喧嘩をまじにぃ1人で買ったので韓来で遅めの昼ごはんを食べることになった
貴方「特上タン塩5人前に特上ロース」
真島「白飯食わんのかいな」
貴方「肉だけでいい」
逆になんでわざわざ肉を食いに来てんのに違うの食べんの??という言葉は飲み込み適当に返す
頼んだ肉は直ぐに来て、焼きながら今日の予定を聞いてみる
真島「そりゃあ桐生チャンと喧嘩する事に決まってるやろうが」
うん。そう言うのは分かってた
でもこれが何時もの会話だと思うと呆れより嬉しさがくるものでついニヤけてしまう
真島「なーに、わろとんねん」
貴方「ごめんごめん。何でもない」
怪しまれながらも何も無いで押し通すと諦めたか興味が無くなったのか、食べることに専念し始めた
貴方「結構食べたなぁ」
真島「そんなもん食べた内に入らんやろ月城ちゃん」
食べ終わった俺たちは店から出ると桐生さんと遥ちゃんらしき後ろ姿を見つけた
あと、少し後ろで歩く男の人
貴方「今は辞めておこう。まじにぃ」
真島「嬢ちゃんに免じてやで。ほなバッセン行こかー」
やけに素直だと思いつつバッセン向かった
着いてすぐバッターボックスに入り打ち始めるまじにぃを見ながら後ろにあるベンチに座る
ついこの前この向こう側でまじにぃが刺されたんだよな…
見ている事しか出来なかった
刺さる瞬間も、その後も。気が動転して刺したやつを殺しかけて
瞬きするとそのシーンが脳内で再生される
溢れ出る血が芝生を染め上げる光景
兄さんが力なく倒れて…
貴方「!?」
突然視界が暗くなったと思ったら目を押さえられている事に気が付く
貴方「ま、まじにぃ??打たなくていいのか?」
真島「お前にそんな顔させといて打てるかアホ」
どうやら俺が考えている事はお見通しのようだ
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作者名:ぷりん | 作成日時:2021年1月3日 15時