陸拾捌 ページ25
貴方side
外がどんどん騒がしくなってきた
ボールが飛ぶ音に混じりまじにぃの声と桐生さんの声が聞こえてくる
これから喧嘩が始まるのだろう
遥ちゃんの方を見るとおじさんと呟いていた
貴方「おじさんて桐生さん?」
遥「うん」
貴方「そうか。おじさんて優しい?」
遥「優しいよ。おじさんはひまわりに私を戻さないで一緒にお母さんを探してくれるんだよ」
うーん、ひまわり?
孤児院か?お母さん探してるって言ってるし
貴方「そっかー、おじさんは優しいんだね」
遥「お兄さんの事も聞きたいな」
貴方「えっ、俺??なんにもないよ?」
遥「私が質問するから大丈夫」
キラキラした目で見つめてくる遥ちゃん
そんな顔見たら断れる分けないじゃんか
貴方「どうぞ」
遥「お兄さんはいちごが好きなの?」
貴方「なんだ、もっと難しい質問をしてくるかと身構えてしまったよ。いちごは俺の1番好きな食べ物さ」
遥「だからいちごみるくの飴だったんだね」
貴方「他のいちご味の飴は人工甘味料の味しかしない気がして好きではないんだけどね」
あの独特な味とただただ甘い感じが嫌なんだよなー
遥「そうなんだ。それじゃあ次の質問するね。お兄さんの髪の毛凄く綺麗な色だけど本物?」
貴方「ハハ、ありがとう。ウィッグでも染めているわけでもない。つまり地毛、本物だよ」
確かに暗めでもこの色は珍しいか
遥「じゃあ外国の人なの?」
貴方「お父さんはハーフでお母さんは外国の人だったんだ。でも日本人の血が何故か濃く出なかったからこんな色なのさ。勿論俺は日本人になるよ」
簡単にいえばクウォーターなんだけど
遥「お母さん綺麗な人だった?」
貴方「うーん、綺麗な人だったと思うよ。写真がそうだった」
俺が産まれる時に死んだから分からないけど
それにしても結構グイグイくる
よくこんな状況で俺に質問出来るな
警戒心というのはないのか
俺自信も外の物騒な音が響く中、それに似つかわしくない平和な会話で気が緩みそうになるが扉の向こうでは命張った喧嘩をしているんだ
こっちにも何か来るかもしれない
警戒しなければ
遥「お兄さん大丈夫?」
貴方「ああ、問題ないよ。ごめんね遥ちゃん、俺もう出るよ。流石に向こう側が気になってね。おじさんがすぐに助けてくれるからそれまで頑張ってね」
遥「う、うん。お兄さんありがとう」
さーて、もう決着は着いたかな?
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作者名:ぷりん | 作成日時:2021年1月3日 15時