死蝶は舞う2〔龍が如く〕 (ページ27)

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漆拾ページ27

貴方side

｢もう止めてやって下さい！｣

貴方｢ｯ…ﾁｯ｣

"ｶﾗﾝ"

組員達に抑えられて正気に戻った

目の前には死にかけの誰か判断出来ないくらいボコボコの組員

流石にやり過ぎたか

貴方｢お前は破門だ…まじにぃと同じ病院に連れていけ｣

組員｢へい｣

西田｢月城の叔父貴、大丈夫っすか?｣

貴方｢ああ、問題ない。西田が来たお陰でアイツを殺さずに済んだよ｣

西田｢そ、それは良かったです｣

あのまま殴り続けていたら彼はもう死んでいただろう

あたりを見渡せばもう桐生さんは居なくなっていた

遥ちゃんを連れて安全な場所に向かったんだろう

あの子にこんな姿見せたくなかったなぁ

貴方｢西田は親父の傍に居てやってくれ。俺はもう行くよ｣

西田｢お疲れ様でした!｣

まじにぃが気になるけどまずは頭冷やさないと…

バッセンから出たのはいいが、寄るところも無ければそのまま帰る気分にもなれない

うん。気の向くままに歩く事にしよう

この町の特徴ともいえるネオンは今の俺にとって眩しく過ぎて自然と人通りが少ない暗い道を歩いて行く

何も考えず、ただ歩くだけ

疲れた…

"ｷｨーｷｨーｯ"

ブランコがある公園を見つけてブランコに座ると錆び付いてるのかキーキー音がなる

そういえばホームレスの人何時もより少ないな

いつもは3,4人たむろってるけど今は1人しかいない

景気が良くなったのか。はたまたのたれ死んだか

まぁ、どうでもいいや

地面を蹴って足を曲げては伸ばして

傍から見ればこんな夜中に1人でブランコを漕いでる成人男性は恐怖でしかないと思うが、今は人の目は気にならなかった

?｢そんな暗い顔してブランコ漕いでるなんて怖いなぁ｣

誰?

見たところボロっちい洋服にキャップという出で立ちからしてホームレスなのはわかるけど…

?｢そこの彼から怖い顔した人がここにいるって聞いてね｣

来た時からいたおじさんか

貴方｢怖い顔をしているつもりはなかった。別にホームレスを狩ろうなんて思ってないので安心して欲しい｣

おじさん｢なーに心配しちまったよ。それなら酒奢ってくれよ｣

貴方｢…え?なんで俺が??｣

おじさん｢おめェが来たから仲間がビビって逃げちまったんだよ｣

見た目で判断できるほどイカれた服装や武器は持って無いし、仲間なんて知らねぇよ

だが居場所を短時間でも奪ったのは事実

貴方｢はぁ…何本だ?｣