〈カイト〉多重人格の私達〈小説〉 (ページ27)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:9,695 hit

二十五人目ページ27

ぺいんとside

今隣で静かに座るAちゃん。

最近、何かがおかしい。

学校に来るようになったかと思えば、来る時間もあやふやで、早退したかと思えば、また午後から来たり…。

授業を受ける態度も前とは全然違う。

今は静かに座っているが、急にこちらをじーっと見てきたり、机の上に足を放り出したり、ヘラヘラした様子でスキップしながら教室から出て行ったりするのだ。

そんなAちゃんに近づく人は、さらに少なくなり、先生達もAちゃんの態度を注意しなくなった。

あきらかにおかしい。

そう思った僕は、ゲーム部のみんなに相談した。

ぺいんと「おかしいっすよね？」

僕の話を聞き終わって、一番に反応を見せたのはカイトさんだった。

カイト「っ…!?」

何か、驚いた様子で目を見開いていたが、特に何も言わず考え込んでしまった。

シエル「え、なにそれ。おかしい子じゃんｗ」

Zacky「おかしい子におかしいって言われるって…」

ニコルと「かなりやばい…ｗ」

茸「言えてるｗｗ」

クロノア「しかし…やはり、彼女の中で何かが変わっているのは確かですね」

いざなむ「ふむ…」

アマみそ「最近はメッキリ部活にも来ないですからね」

死神「先輩、どうしちゃったんでしょう…」

みんなが真剣に考え込む中、カイトさんが席を立った。

カイト「ごめん。俺ちょい用事あったわ」

ニコルと「…そう。お疲れ～」

いざなむ「いってら～」

ドアに手をかけたカイトさんは、一言、「ごめんね」と言って出て行った。

Zacky「かいちゃん、なんか勘付いてんな」

クロノア「まぁ、カイトさんだったら、大丈夫でしょう…」

クロノア先輩のその声で、部屋中のゲームの音が再開された。