小鳥ちゃんと烏と猫と…HQ 3

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取っ組み合いを止めない2人に挟まれ、それでも必死に止めようとしているA



暴れる2人は言い合いに夢中で、Aの声など耳に入っていない



日向｢俺が、今のままじゃ上にはもう通用しないんだ！｣

｢翔陽、とりあえず離して！飛雄も…っ、｣



そんな時、ブンブンと振り回していた手がAの頬をかすめた



日向｢…！｣

影山｢っ！｣

田中｢おい！お前らやめろー！！｣



突然の痛みに頬を抑えたAに、一瞬の意識を持っていかれる日向と影山



そこへ、谷地が呼んできた田中が喧嘩を止めにやって来たのだった



田中は勢いそのままに、思い切り2人を殴り飛ばす



田中｢まったく、何やってんだよお前ら…！｣

谷地｢ひぇぇ…｣

｢…ありがとうございます、田中さん。仁花も、ありがとね。｣

谷地｢あ、ううん！私は何も…｣



さっきまでと明らかに様子の違うAに、谷地は違和感を覚えた



｢じゃあ、すみませんけどお先に失礼します。｣

田中｢ん？あ、おぉ…｣

谷地｢A…？｣

｢ごめん仁花、帰るね。｣



俯いたままそう言うと、床に置いていたカバンを拾い上げ靴を履く



日向｢ま、待って…A！｣

｢なに…｣

日向｢ごめん、俺、さっきAに…その、俺、送ってくから…！｣

｢…いい。仁花の事、送ってあげて。｣

日向｢でも俺…！｣



ワタワタと慌てるように言う日向に、Aはそう言い足早に体育館を去った



田中｢どうしたんだ、小鳥ちゃん…あんなの初めて見たぞ、｣

日向｢…俺の、せいだ。｣

影山｢…お前だけじゃない。｣

日向｢でも、俺のせいだろ…！｣

影山｢俺のせいでもあんだろうが…！｣



またもや言い合いが始まりそうな2人を、田中はベリっと引き離す



田中｢何だかよく分かんねぇけど、今日はもう帰れ！｣

日向｢…はい｣

影山｢…うス｣



そうして、片付けを終えた影山、日向、谷地は体育館を後にするのだった___



家に着き、深いため息と共にベッドへボスンッと横になるA



｢はぁー…、さっきの私、嫌な態度だったよなぁ…｣



そんな独り言を呟くと、ガバッと起き上がり先程の場所を確認する



｢あー…やっぱり血出てたか。…こんなの見たら、翔陽もっと気にしちゃうよな…｣



ひとまず消毒をし、傷が消えるまでをどうしようかと考える



｢メイク…はさすがにして行けないか。教頭にバレでもしたら余計に面倒だし、バレー部巻き込まれたら堪んない…｣

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