全日制の姫 2 (ページ25)

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姫75 ページ25

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

『洋介くーん、いるー？』

ここは洋介くん家。

返事なし。

用事あるから居ないのかな…

帰ろうと思って背を向けた瞬間

轟｢悪い。さっきは｣

家から洋介くんが出てきた

『入ってもいい、？』

轟｢あぁ｣

何故かわかんないけどめちゃくちゃ緊張する

ソロっと入って部屋の隅っこに座った

轟｢何そんな隅にいる訳｣

『いや、なんとなく』

轟｢こっちこいよ｣

『あはい』

そう言って洋介くんの向かいに座った

轟｢…やっぱ。大学とかふざけてるよな｣

『…え？』

轟｢いや。良いんだ、なんでもない｣

こんなに弱弱な洋介くん初めてだ

…私が、何とかしないと

『そんなことないよ！！！！楓士雄くんが言ってた！！みんなで進学するって！！！辻くんと芝くんは…わかんないけど、みんな大学行くって！！！』

やべクソでかい声出しちゃったほら目の前で洋介くんビックリしてんじゃん

轟｢…は？｣

『明日からみんなで勉強すんの！！洋介くんも一緒に！』

轟｢えあいつらマジで言ってる？？｣

『多分』

轟｢大学行くったって色々あんだろ、｣

『そりゃそうだけど…でも、それだけを理由に、洋介くんも、皆も、夢諦めるのは違うと思う』

轟｢でも現実はそう甘くねぇよ｣

『分かってるよ…鬼邪高って名前だけで落とすかもしれないって。でもさ、そんなの、やってみないとわかんないじゃん』

轟｢やんなくても分かるだろ｣

『そんなこと言って一生逃げるつもり！？』

轟｢…｣

『私はみんなと頑張るよ！私も、大学行きたいもん』

轟｢…｣

『だから洋介くんも明日から学校ね！！』

轟｢は！？なんでそうなるんだよ｣

『いいの！行くったら行く！！じゃ私一人で行く』

轟｢は？それはダメに決まってんだろ…わかったよ俺も行く｣

こうしてなんと、私たち鬼邪高校進学キャンペーンが始まったのだった